「前述の通り、中学年の学習には抽象的な概念が必要になり、内容が難しくなります。低学年で荒れていると中学年には厳しい先生を配置する傾向があるのですが、力で押さえつけて表面的に収束させても、子どもたちに学習習慣が身に付いておらず、『勉強は面白い』という気持ちも育っていなければ、大人への批判的な目が育つ高学年でまた崩壊することになります。

 反対に『勉強は楽しい』と子どもたちが意欲を持つことができれば、学級崩壊はなくせます。低学年で崩れてしまっていても、改めて学びの楽しさに気づき、学習習慣を付けることができれば、子どもは変わっていきます。立て直すことは可能です」

集団の中の位置付けを意識する中学年

 そもそも中学年はどのような年代なのでしょうか。「まずパワフルな時期。体力がつき、活動範囲も広がります。うまく持っていくことができれば、すごく頑張れる年代です

 「頑張る力を発揮させるには、メリハリを付けることが大事です。『今は遊びの時間だよ』とわーっと遊ばせて、『これからは勉強の時間だよ』と、切り替えることができるようになります」

 内面的にはどのような特徴があるのでしょうか。「自分は人よりこんなことができる、できない、などと気づいて悩み出すのはこのころからです。例えば、運動会のかけっこで6人並ばせると、走る前から『僕は何番だな』と判断するなど、集団の中での自分の実力の位置付けが分かってくる時期です」

 取り組む前から諦めてしまう子も出てくるのでしょうか。「以前私のいた学校では50m走のタイムで、遅い子、真ん中ぐらいの子、速い子と3つのグループに分けて、その中でシャッフルして誰が勝つか分からないようにしてやる気を出させていました」

「ギャング」のように群れて排他的になる

 「中学年になるとクラス内の雰囲気も変わってきます。仲のよい子でグループが固まり始めて、ほかのグループの子は入れない、など排他的にもなってきます」。中学年が「ギャングエイジ」などと呼ばれるゆえんです。

 そのため、学校では意図的にグループを解体する試みもするそうです。「同じグループの友達と遊ぶことも大切ですが、ずっと同じ子とばかり固まっていてもよくない。次の段階として人間関係を広げるチャンスを与えるために、行事などの班分けで色々な子と関われるようにします

 「私が現場の先生をしていたときは、3年生で一班6人の生活班グループを子どもに決めさせていました」

中学年になると、『あの子は手がかかる』も理解する

 「まずは班長選挙をして、班長に選ばれた子どもたちを集めて話をします。『どういうメンバーを集めるかは君たちに任せる、どうすればいいかな?』と。『ただ、どこか一つの班だけがいい班になったとしても、クラス全体はよくならないからね、必ず一人は、世話が必要な子をとるんだよ』と。

 3年生にもなれば、クラスメートの持ち味も分かります。『あの子は手がかかるところがある』なども、子どもは分かっています。大変な子をそのままにしておくのではなく、じゃあ大変な子がなぜ大変なのか、その子だって班長になる力があるかもしれない、その子がいずれ班長になれるようにみんなでしていこうね、という方向で話すのです」

 「ただ、気を付けたい点があります」と増田さんは付け加えます。