一番いけないことを示し、基準を明確にする
「大事なのは、何が一番いけないことなのかという基準を明確に子どもに示すこと。私の場合、どちらがよい悪いは関係なく『友達にケガをさせるのは絶対に許さないよ』と、最初に子どもたちに伝えていました」
例えば、A君がB君を蹴ってケガをさせました。A君は「Bが先に僕の悪口を言ったからだ」と主張します。そんな場合でも増田さんはこう伝えます。「『B君が先にあなたの悪口を言ったんだよね。でもケガをさせたのはあなたでしょ。あなたが悪いでしょ』と言います。それから『これが大人の社会なんだよ、社会のルールなんだよ』と伝えます。そこは教えないといけない部分ですからね。『ケガさせたほうが悪い』という基準を常に示しているので、子どもは理解はします」
授業が下手でも学級は崩壊する
学級崩壊する理由が「先生の授業が分からない」というケースもある、と増田さんは指摘します。「1時間目から6時間目まで分からない授業を聞いているのは拷問に近いです。先生の授業があまりにも下手だと学級崩壊することはあります」
自分の子どもが「授業が分からない」「聞いていてもつまらない」などと言い出したら、親はどうしたらいいのでしょうか。「『何がどういうふうに分からないの』と子どもから詳しく具体的に聞き出してみましょう。そのうえで、『子どもが授業が分からないと言っているのでもう少し分かりやすく噛み砕くように言っていただけますか』などと保護者は先生に上手に要望を伝えるのもいいと思います」
(取材・文/小林浩子 イメージ写真/iStock)
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授