アレルギー児を支える全国ネットのNPO、アラジーポットが開催した「アラジーポット学びの場 講演会」から、最新のアレルギー対応、対策について紹介する連載、最終回は昭和大学医学部小児科学講座准教授の今井孝成さんの講演です。

近年、0~2歳児という食物アレルギーを最も発症しやすい年代の子どもが通う、小規模認可保育園が急激に増加していますが、現場ではどのような課題が浮かび上がってきているのでしょうか。また気になる「外食産業」の食物アレルギー対応の現状とは。

【子どもの未来を守る アレルギー最前線】
(1)スギの舌下免疫療法は7~8割に有効 子にも可能
(2)アレルギー疾患発症予防は生後4カ月までが肝心
(3)鶏卵・人工乳 早い摂取で食物アレルギー発症予防
(4)保育園・学校・外食 社会のアレルギー対応は十分か←今回はココ

保育所が増える中、アレルギー対応への懸念も増加

昭和大学小児科学講座 今井孝成准教授
昭和大学小児科学講座 今井孝成准教授

 「アレルギー疾患対策基本法」が2014年に成立し、2015年に施行されてから、社会的な対応も変化。なかでも食物アレルギーを発症しやすい0~2歳児までの子どもを預かる、保育園(保育所)の対応が注目されてきています。

 背景には「特定地域型保育事業」、つまり「小規模保育事業」「家庭的保育事業」「事業所内保育事業」「居宅訪問型保育事業」のなかでも、「小規模保育事業」が急激に増えてきていることがあります。

 昭和大学医学部小児科学講座准教授の今井孝成さんは「厚生労働省(以下、厚労省)がまとめた『保育所等の利用率の推移』を見ると、利用率は右肩上がりで待機児童数もまだまだ解消されていない状況です。これを背景に保育所、特に小規模保育と呼ばれる保育所の数が伸びています」と指摘。

 「食物アレルギーを発症するお子さんの場合、0歳をピークに2歳までに発症するケースが全体の3分の2を占めます。つまりこの時期のお子さんたちが通う保育所が増えるということは、そうしたリスクを持つお子さんを預かる場所が増えるということ。急増することで現場を預かる職員の質、保育の質が低下しないか、その結果、食物アレルギーの事故が誘発されないかという懸念があるのです」

 こうした懸念があるなか、国としての対策は、どうなっているのでしょうか。

出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(2018年4月1日)」
出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(2018年4月1日)」

次ページから読める内容

  • 法律や指針が整えば、あとは現場の職員の知識
  • 厚労省は保育所の食物アレルギー対応に本腰
  • 一般的な飲食店では対応が十分とは言えない
  • 経営者の意識が高くても現場を預かる従業員については課題がある

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