子どもに幸せな人生を歩んでほしいと願うのは、親としての当たり前の感情です。ただ、「よりよい将来のため」と、過剰な教育を子どもに強いてしまうと、子どもが精神に変調を来し、健やかな成長につながりません。それどころか、青年期や大人になってから不安障害やうつ病といった精神疾患を発症してしまうことすらある、と専門家たちは指摘します。

近年、社会的に注目されるようになってきた教育虐待について考える本特集。第3回は、教育虐待に含まれる、親のNGワード&考え方のチェックリストをご紹介します。教育虐待を未然に防ぐ6つのポイントと併せて、専門家に聞きました。

【これって教育虐待ですか?】特集
(1) 親の過剰な期待 子に取り返しつかない弊害もたらす
(2) 「教育熱心」と「教育虐待」線引きはどこに?
(3) 子の幸せ見極め教育虐待を防ぐ NGワード&考え方 ←今回はココ
(4) 当事者が語る「こうして教育虐待から抜け出しました」
(5) 教育虐待 被害者が加害者になる負の連鎖を断ち切る

【連動マンガもぜひお読みください】
(1) 「うちは大丈夫」「皆やってる」が危ない教育虐待
(2) 「親の期待に応えたい」子にさせる忖度が虐待を生む

教育虐待となり得る行為とは、どのようなものか?

 教育虐待は、教育の皮をかぶった虐待ともいわれ、親からすると「よかれ」と思ってやっている行為が、結果として、教育虐待となっているケースも少なくありません。

 加害者であることを自覚するのが難しい背景には、子どもは親がいなければ生きていけない存在であり、子ども自身が、親の意を本能的にくみ取ってしまうことがあります。それだけに親としては、日ごろから自分たちの行為や考え方に注意を払い、「●●でなければ認めない」といった、条件付きの愛情にならないよう気を付けなければなりません。まずは、どんな行為や考え方が教育虐待につながるのか、親が知っておくことが重要です。

 専門家や日経DUAL読者のアンケートを基に、「教育虐待につながる親のNGワード&考え方」をまとめたチェックリストを作成しました。例えば、「親の意に沿わない子どもの言動は、あたかも聞こえなかったかのように無視するか、ため息や表情などによって、子どもをコントロールしようとする」など、次ページにある13のチェック項目のうち、一つでも身に覚えがある場合には注意が必要です。

<次のページからの内容>

● 「教育虐待につながる親のNGワード&考え方」チェックリスト
● 専門家の意見を総合!6つの解決策とは?
● 「経済的自立」一辺倒を抜け出し、「精神的自立」を優先するために
● 子どもの精神的自立を促すために必要なこと