子連れ旅行には行きたいけれど、子どもも楽しめるお出かけ先が分からない。そもそも泊まりで出かける余裕がない――。

 そんなDUAL世代にピッタリなのが、「半日旅」という旅のスタイル。『東京発 半日旅』(ワニブックス)の筆者で旅行作家の吉田友和さんは、思い立った瞬間にでも出かけて、半日くらいで帰ってこられる、そんなお手軽で気まぐれな旅を「半日旅」と定義しました。この連載は、そこに“子連れ”という要素を加え、DUAL世代もすぐにでも出かけたくなるような旅ルポをご紹介します。

 今回のテーマは「キノコ狩り&『きのこの家』おでかけ」です。青梅市で親子キノコ狩りを体験した上編に続き、下編では「きのこの家」に出かけました。

半日旅について語った、吉田さんの過去インタビューはこちら
気ままに楽しむ「東京発“子連れ”半日旅」の魅力
“子連れ半日旅”はハプニングも思い出に

「東京発“子連れ”半日旅」の3箇条
●旅先は子連れで訪れることが可能な場所であること
●夕食は自宅で取ることができるくらいのスケジュール感であること
●テーマパークなど人が多く集まる場所は基本的には行かないこと

「ムーミン」の世界観を再現した「子どもの森公園」

 「食欲の秋」ということで、今回の半日旅ではキノコ狩りに挑戦。原木栽培にこだわった内沼きのこ園で、自分たちが採った「完熟しいたけ」を炭火焼きにして味わったところまでを上編でお届けした。下編では、帰路に立ち寄った公園を紹介したい。キノコ狩りに続いて目指すのは、「きのこの家」である。

 その名も「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」という。「ムーミン」でおなじみの、フィンランドの童話作家として知られるトーベ・ヤンソン氏の名前を冠しており、園内はまさに北欧チックな異国情緒にあふれている。森の中にはファンタジックなオブジェが点在し、童話の世界に迷い込んだ気分に浸れる。テーマパークのようだが、あくまでも公園であり、入園無料なのがうれしい。

 日本でも定番の「ムーミン」の世界観を再現した公園というと想像しやすいだろう。スナフキンの家やら、ニョロニョロのベンチがあったりしてファンならずとも感激するはずだ。

どこかで見たことがあるような懐かしさがある
どこかで見たことがあるような懐かしさがある

 実は、わが家では以前から「ムーミン公園」と呼んでいた。初めて訪れたのはもう10年以上も前のことだ。

 「子どもができたら、ぜひ連れてきたいね」

 子どもができる前に夫婦でそんな話をしていたほどのお気に入りだ(そういえば以前、自著で紹介したこともある)。当時は知る人ぞ知る穴場の公園といった雰囲気だったが、最近はSNS映えするという理由で知名度が上昇。久々に訪れたら、以前よりも明らかに混雑していた。新しい建物などもできていて、かなりメジャーな公園になったのだなあと驚かされた。