子連れ旅行には行きたいけれど、子どもも楽しめるお出かけ先が分からない。そもそも泊まりで出かける余裕がない――。

 そんなDUAL世代にピッタリなのが、「半日旅」という旅のスタイル。『東京発 半日旅』(ワニブックス)の著者で旅行作家の吉田友和さんは、思い立った瞬間にでも出かけて、半日くらいで帰ってこられる、そんなお手軽で気まぐれな旅を「半日旅」と定義しました。この連載は、そこに“子連れ”という要素を加え、DUAL世代もすぐにでも出かけたくなるような旅ルポをご紹介します。

 第4回のテーマは「海&山にお出かけ」です。

半日旅について語った、吉田さんの過去インタビューはこちら
気ままに楽しむ「東京発“子連れ”半日旅」の魅力
“子連れ半日旅”はハプニングも思い出に

「東京発“子連れ”半日旅」の3箇条
●旅先は子連れで訪れることが可能な場所であること
●夕食は自宅で取ることができるくらいのスケジュール感であること
●テーマパークなど人が多く集まる場所は基本的には行かないこと

夏らしい半日旅は海? それとも山?

 夏休みは子どもと触れ合う絶好の機会だ。同時に、大人である親自身が童心に帰った気持ちになれるのもいい。セミの鳴き声をBGMにわが子と目いっぱい遊んでいると、過ぎ去りし夏の思い出が頭をよぎったりして、思わず遠い目になる。

 夏らしい半日旅といえば、真っ先に思いつくのは海や山だが、では海と山、どちらがいいのかというと――これは悩ましい選択だ。どちらを選んでも夏らしい体験ができるのは確かだが、どちらも捨て難いのが正直なところ。

 「いっそのこと、海も山も両方楽しむのはどうだろう?」

 悩んだ末にたどり着いたのはそんな発想だった。我ながら欲張りだなあと苦笑するが、決して非現実的なプランではない。東京近郊で海と山が両方ある場所を探してみた。

 そうして、有力候補地として浮上したのが鋸山だった。房総半島の西側、海の間近にそびえ立つ。もともとは石切場だったことから、えぐり取られた斜面が鋸の刃のようにとがっていることからその名が付いたとか。標高330メートルとそれほど高い山ではないが、頂上付近がお寺の境内になっており、パワースポットとしても人気が高い。麓からはロープウエーが出ているので、小さな子ども連れでも比較的楽に登れるのも親子旅向けだ。

 鋸山周辺には海水浴場が点在しており、漁港が近いので新鮮な魚介類も味わえる。海と山を両立できる旅先としてはこれ以上ない選択肢ではないだろうか。

 交通の便がいいことも特筆すべき点だ。ロープウエー乗り場まではJR内房線の浜金谷駅から歩いてすぐ。電車だけで訪問可能なこの手の自然系スポットは案外貴重である。加えて、対岸の三浦半島から東京湾を横断する形でもアクセスできる。久里浜港(神奈川側)から金谷港(千葉側)まで、「東京湾フェリー」が就航。1時間に1本程度と、本数もそれなりにある。行きと帰りでルートを変えるのもアリだ。

 わが家も今回は往路だけ船を利用することにした。船旅は旅情をたっぷり味わえて、テンションがグッと上がるからだ。海を満喫するという旅のコンセプトにも合致する。波に揺られながらも目指すのは山、というのがなんだか不思議なのだけれど。

東京湾フェリーの「しらはま丸」に乗船。いざ、鋸山へ
東京湾フェリーの「しらはま丸」に乗船。いざ、鋸山へ

次ページから読める内容

  • 絵本で読んだ船旅を実際に体験させてあげたかった
  • きれいな貝殻を洗って渡すと大切そうに握り締めていた
  • 漁協直営の「漁師飯」を楽しめる店へ

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