子連れ旅行には行きたいけれど、子どもも楽しめるお出かけ先が分からない。そもそも泊まりで出かける余裕がない――。

 そんなDUAL世代にピッタリなのが、「半日旅」という旅のスタイル。『東京発 半日旅』(ワニブックス)の著者で旅行作家の吉田友和さんは、思い立った瞬間にでも出かけて、半日くらいで帰ってこられる、そんなお手軽で気まぐれな旅を「半日旅」と定義しました。この連載は、そこに“子連れ”という要素を加え、DUAL読者もすぐにでも出かけたくなるような旅ルポをご紹介します。

 第3回のテーマは「水族館&ザリガニ釣り」です。前編では、屋内でも自然に触れられるスポットとして、さいたま水族館に狙いを定めた吉田さん一家。名物の加須うどんを食べ、水族館を堪能したのですが、旅はこれで終わりではありません。後編では、なんと「ザリガニ釣り」に親子で挑戦します。

半日旅について語った、吉田さんの過去インタビューはこちら
気ままに楽しむ「東京発“子連れ”半日旅」の魅力
“子連れ半日旅”はハプニングも思い出に

「東京発“子連れ”半日旅」の3箇条
●旅先は子連れで訪れることが可能な場所であること
●夕食は自宅で取ることができるくらいのスケジュール感であること
●テーマパークなど人が多く集まる場所は基本的には行かないこと

映像や写真ではない、本物の生き物を子どもに見せてあげたい

 さいたま水族館で長女が特にハマったのが鯉の餌やりだった。建物の外に大きな池があり、何十匹もの鯉が泳いでいる。餌を投げ入れると、勢いよく集まってきた。丸々と太った鯉が多いのが印象的だ。

 長女はこの手の「食べさせる系」のアトラクションが大好きである。家でもよく、ぬいぐるみ相手にオモチャの野菜などを食べさせたりしている。近ごろは次女の離乳食も、「自分があげるのヨ~」と言って聞かない。

 「水族館で鯉?」と最初は不思議に思ったが、さいたま水族館は淡水魚専門。身近な自然の中に生息する魚と触れ合えるのが特徴である。他にも亀にタッチできるコーナーなどもあった。僕が甲羅の両サイドをつまむようにして持ち上げ、長女が恐る恐るツンツンとする。わりと怖かったようで、一回触ったらもういいと逃げていったのがおかしかった。

鯉の餌はガチャガチャで販売。これがまた子ども心をつかむのだ
鯉の餌はガチャガチャで販売。これがまた子ども心をつかむのだ
夢中になり過ぎて落っこちないように注意
夢中になり過ぎて落っこちないように注意
亀にタッチ。大人もドキドキする瞬間だ
亀にタッチ。大人もドキドキする瞬間だ

 映像や写真ではなく、動いている本物の生き物を子どもに見せてあげたい、触れさせてあげたい。そういう気持ちは僕の中でとても強い。それゆえ水族館へやってきたわけだが、実はこの旅ではさらなる野望というか、もう一つの魂胆があった。

 「ザリガニ釣り」である。