子連れ旅行には行きたいけれど、子どもも楽しめるお出かけ先が分からない。そもそも泊まりで出かける余裕がない――。

 そんなDUAL世代にピッタリなのが、「半日旅」という旅のスタイル。『東京発 半日旅』(ワニブックス)の著者で旅行作家の吉田友和さんは、思い立った瞬間にでも出かけて、半日くらいで帰ってこられる、そんなお手軽で気まぐれな旅を「半日旅」と定義しました。この連載は、そこに“子連れ”という要素を加え、DUAL世代もすぐにでも出かけたくなるような旅ルポをご紹介します。

 第2回のテーマは「親子で川遊び」です。

半日旅について語った、吉田さんの過去インタビューはこちら
気ままに楽しむ「東京発“子連れ”半日旅」の魅力
“子連れ半日旅”はハプニングも思い出に

「東京発“子連れ”半日旅」の3箇条
●旅先は子連れで訪れることが可能な場所であること
●夕食は自宅で取ることができるくらいのスケジュール感であること
●テーマパークなど人が多く集まる場所は基本的には行かないこと

娘のズボンから石ころがポロリ

 なんてことはない日常の中からも、旅のきっかけが生まれることがある。

 自宅で洗濯をしていたときの話だ。洗い終わった娘のズボンを干そうとすると、ポケットに何かが入ったままになっていることに気がついた。

 ハテ、なんだろうか――ごそごそと取り出してみると、石ころだった。どこで拾ってきたのかは定かでないが、思い当たる節はある。2歳7カ月の長女は、公園などへ遊びに行くと、地面に落ちている葉っぱやら枝やらどんぐりやらを集めるのがお決まりとなっている。ある意味、彼女の「日課」といってもいい。

 「なるほど、収集癖は石ころにも及んでいるのか」

 と得心がいった。そして次の瞬間、ちょっとしたアイデアが浮かんだ。どこかへ石拾いに出かけるのも面白いかも、と。石拾いを目的とした旅。自分探しならぬ、“石ころ探し”の旅である。

 思い立ったが吉日ということで、さっそく実行に移すことにした。向かった先は多摩川の河川敷である。石がたくさん落ちていて、小さな子どもでも拾いやすそうな場所といえば、真っ先に思い浮かぶのが河原だったからだ。

 多摩川といってもエリアは広範囲に及ぶが、今回訪れたのは小田急線の和泉多摩川駅周辺の河原。駅を出て線路沿いを歩くこと約5分で堤防へたどり着く。対岸は川崎市で、川がちょうど東京と神奈川の県境となっている。

 川沿いには高い建物も少なく、川幅が広いから、抜けの良い景観も楽しめる。散歩するだけでも気持ちの良いところなのだが、今回のお目当てはあくまでも「石」である。視線を下方へ向けながらテクテク歩を進めると、やがて手頃な場所が見つかった。中州のようなところに石ころがゴロゴロしている。地面がほぼ完全に石ころに埋め尽くされており、石拾いをするには好ロケーションだ。

大小様々、色とりどりの石ころ
大小様々、色とりどりの石ころ