車内は外国人旅行者と子連れ客が多かった

 スカイバスが発着するのは、東京駅丸の内口を出てすぐのところにある三菱ビルの前。ツアーは当日でも申し込み可能だが、週末なので事前に公式サイトから予約しておいた。ビル1階のカウンターで支払いを済ませ、チケットを受け取る。車内はほぼ満席状態だったから、予約して正解だった。

 出発前に、わが家ではお決まりの記念撮影を行う。我々夫婦に、3歳の長女と1歳9カ月の次女。今回も一家4人での半日旅だ。バスの前にいたスタッフの女性にお願いすると、快くシャッターを押してくれた。乗車して間もなくすると、この女性がガイドさんだと分かった。

「持ちたい!」とチケットを手に取る長女
「持ちたい!」とチケットを手に取る長女

 客層は予想した通り、外国人旅行者がかなり多いようだった。四方八方から日本語ではない言葉が聞こえてくる。ホームグラウンドの東京にいるはずなのに、まるで海外旅行をしているかのようなアウェーな気分になった。

 走行中はガイドさんが日本語で案内してくれるが、外国人向けにオーディオガイドも用意されているようだ。英語のほか中国語、ハングルに対応している。意外だったのは、子連れの客が多かったこと。それも、うちと同じくらいの小さな子どもばかりだ。3歳以下なら、親の膝上に座る場合は無料で乗車できる。バスツアーは人混みにもまれるストレスもないし、実は幼児連れ向けのアクティビティーと言えそうだ。

 三菱ビル前を出発したバスは、東京駅の赤レンガ造りの駅舎を右手に臨みながら丸ビルの先を左折。さらに和田倉門の交差点を左に曲がり、皇居のお堀沿いに南東へと進路を変えた。日比谷公園の横を通り、芝方面へと向かう。

 「左手に見えますのが帝国ホテルでございます」といったガイドさんの案内が逐一入り、観光気分がさらに盛り上がる。

 普段から自分で車を運転するため、このあたりの道路はよく知っているのだが、オープンエアのバスの座席から眺めると、景色がいつもと違って見える。大人の自分でさえそう感じるぐらいだから、子どもたちにとっては目にするあらゆるものが新鮮だったようだ。車窓の風景に目をパチクリさせていた。

 特に興奮していたのは次女だった。ゲラゲラ笑いながら、座席の上に立とうとしたり、後ろを振り返ったりして大騒ぎである。楽しそうで何よりなのだが、走行中は危ないのでしっかり抱っこするようにした。

 あまり騒がしくすると、他の乗客の迷惑にならないかが気になるところだが、幸いにもみんな温かい目で見守ってくれた。次女は猫の顔を模したデザインの帽子をかぶっていたのだが、これが後ろの席の欧米人旅行者に受けていたのも印象的だ。どこの国にも子ども好きな人はいるのだなあと実感した。

バスが出発し大興奮する次女。窓の向こうに見える赤レンガの建物は東京駅だ
バスが出発し大興奮する次女。窓の向こうに見える赤レンガの建物は東京駅だ