公園に着くや否や駆け出した長女

 寒いと外に出るのがおっくうになりがちだが、それは大人に限った話なのだろう。休みの日に子どもたちを近所の公園へ連れていくと、水を得た魚のように生き生きと遊び始める。子どもは風の子とはよく言ったものだ。

 行き慣れた公園ではなく、初めての公園になるとテンションの上がり方もいつも以上である。昭和の森に到着するや否や、それまで何かと言えば「抱っこ~」とねだる“抱っこ星人”だった長女が突然駆け出した。思わず走りたくなる気持ちは理解できる。途方もなく広大な芝生の空間が目の前に現れたからだ。

 昭和の森の最大の特徴といえるのが、敷地の広さだろう。総面積は105.8ヘクタール、東京ドーム23個分に該当する。千葉市内では最大であり、千葉県内でも有数の規模を誇る総合公園だ。

空も広い! 大人も開放的な気分になれる
空も広い! 大人も開放的な気分になれる

 中でも一番の人気スポットがこの芝生広場だという。これほどダイナミックな広場は、東京では見た記憶がない。奇麗に整った芝生の地面が遥かかなたまで続いている。ただ広いだけでなく、地面が緩やかに傾斜して丘のようになっており、上ったり下ったりできるのもいい。走り回りたい年ごろの子どもにとっては、最高の遊び場だ。

 長女がずっと遠くまで駆けていき、気が付いたら豆粒のように小さくなっていた。最近歩くのが上手になってきた1歳半の次女も、ヨチヨチ歩きでお姉ちゃんを追いかけていく。「お~い!」と大声で呼んだら、長女が方向転換してこちらに駆け戻ってきた。その顔には満面の笑みが浮かんでいる。

 公園だけに、子どもが遊べる遊具もしっかり用意されている。幼児向けの低い滑り台やスプリング遊具などもあって、うちの子どもたちも一通り楽しんでいた。個人的には、遊具と遊具との間隔が広いのも気に入った。東京の公園では狭いスペースに目いっぱい詰め込むようにして遊具が設置されていたりするが、ここは比較的ゆったりしている。

 園内の遊具の中でも目玉といえそうなのが、ローラー滑り台だ。高低差25メートル、延長約109メートルとかなり長い。滑りがいのある滑り台である。3歳児にはまだ早そうなので、親がサポートする形で一緒に滑った。

 下まで降りた後、登って戻らなければならないのは大変だが、帰路の道中にもまたアスレチック遊具が用意されている。それらで遊び始めてしまってなかなか上まで戻れなかったりして、それもまた楽しかった。

初めての遊具に家族で大はしゃぎ
初めての遊具に家族で大はしゃぎ

 園内には他にも展望台などがあって、九十九里平野を一望できるというが、今回はそこまでたどり着けないうちにタイムアップとなった。とにかく広い。いや、広過ぎる公園なのだ。チェックインの時間が近づいてきたので、たき火をしにキャンプ場へ移動したのだった。