10代の人工知能(AI)プログラマーとして、世界で注目を浴びている、カナダ在住のタンメイ・バクシさん(15)。プログラミングを5歳で始め、驚異的なスピードで言語を次々習得し、9歳で、iPhoneで使えるiOSアプリを開発した。11歳でAIの技術に出合ってからは、企業との共同プロジェクトにも携わる。ホームスクーリングで教育を受けながら、世界各地で講演活動もするバクシさんへのインタビュー、3回シリーズの最終回は「テクノロジーとの関わり方」について聞いた。

【次世代担うデジタルリーダー タンメイ・バクシ】
(1) 少年プログラマー タンメイ・バクシの原点は父の姿
(2) タンメイ・バクシ AIの力で教育改革を起こしたい
(3) タンメイ・バクシ 創造力あるIT人材育てる活動も ←今回はココ

IBMワトソンに衝撃を受け、マシーン・ラーニングの可能性に気付いた

 テクノロジーで世界を変えていきたい。タンメイ・バクシさんは今、そんな思いでマシーン・ラーニング(人間のように機械が学習をする)を様々な分野に活用している。

 プログラマーの父親が家で仕事をしている姿を見て、プログラミングを始めたのは5歳のとき。父親の教えや、独学でプログラミング言語を次々習得し、7歳で「プログラミングをする人たちの参考になれば」とユーチューブ(YouTube)でチュートリアル(指導)講座を開設した。9歳のとき、iPhone向けのiOSのアプリケーションを開発する頃には、驚異的なスピードで数々の主要なプログラミング言語を自在に操り、「天才プログラマー」と注目されるようになった。

 将来の夢は「ITの世界で仕事をしてプログラミングを続けること」だったバクシさん。11歳のとき、「テクノロジーでこんなこともできるのか」と、自分の認識をがらりと変えることになった技術に出合う。それがIBMの人工知能(AI)ワトソンだった。

 クイズ番組に「出演」し、他の挑戦者と同じようにクイズに解答していたワトソンの姿に衝撃を受けたバクシさん。土台に、マシーン・ラーニングの技術があることを知る。これをきっかけに、バクシさんはマシーン・ラーニングのプログラミングに挑戦し、ワトソンが自動で質問したり回答したりするコミュニケーションシステムを開発。IBMワトソンの「最年少のプログラマー」として注目を浴び、世界各地で講演も行っている。

 「マシーン・ラーニングの技術は世の中を変えるという可能性を感じました」(バクシさん)