ユーチューブや著書を通してプログラマーを支援

 バクシさんはAIの開発に関わる前から、プログラミングを習得する一方で、自身のプログラミング技術や学習プロセスを惜しみなく公開し、様々なメディアを通じて、他のプログラマーを支援してきた。例えば、7歳で始めたユーチューブ講座では幅広い年代層のチャンネル購読者を2万人集め、ネットを通じて寄せられる質問にも一つずつ回答した。さらに11歳で著書『ハロー・スウィフト!』を出版し、子どもやプログラマーの初心者向けに、分かりやすく技術を解説している。

 「どうすればより多くの人がテクノロジーの世界に興味を持ってくれるか、いつも考えている。実際にコーディング(プログラムを書くこと)を支援したり、オープンソース(ソースコードの利用を許可する)などを進めていったりするなどして、熱意のある技術者が集まり、プログラミングに取り組みやすくする方法を考えていきたい」(バクシさん)

 目を輝かせながら、言葉が次から次へとあふれ出るように、テクノロジーで実現したい世界を語るバクシさん。情熱の源は「プログラミングが好きで仕方がない」こと。自転車で出かけたり、卓球やクリケットで汗を流したり、家族や友達とゆっくり過ごしたりする時間を持ちながらも、バクシさんにとって、時間を忘れて没頭してしまう「趣味」がプログラミングなのだ。

取材・文/斉藤真紀子 写真/花井智子