生徒の個性に合った教育を可能にしたい

 マシーン・ラーニングは、膨大なデータを処理することで、人間の学び方など、複雑なパターンを見つけることができる。バクシさんは、このテクノロジーのアルゴリズム(算出方法)をプログラミングする。

 「マシーン・ラーニングのテクノロジーを教育に取り入れることができれば、例えば、ある生徒がある教科のテーマに対して、なかなか理解ができなかったとき、理由を探ることができる。それ故にその生徒の個性に合った教え方が可能になります」(バクシさん)

 一人ひとりの学び方に合わせた教育の必要性は、自身の経験からも実感した。バクシさんは、一般の学校に通ってから、10~11歳の時、6年生でホームスクーリングに切り替えた経歴を持つ。現在は11年生で、両親や24歳の姉が指導者となり、自分に合わせた柔軟性のあるカリキュラムを組んでいる。テクノロジーなど、興味のある分野も、重点的に伸ばすことができる。

 そんな先端の教育環境を整えてくれた両親は、バクシさんにとってどんな存在なのか。

 「やりたいことへの情熱を育ててくれて、続けたいというモチベーションを高めてくれる。何より、やりたいことを見つけてくれた。両親の力は大きいですね」

取材・文/斉藤真紀子 写真/花井智子