教育にまつわる情報に対しては、「それもありだね」くらいがいい

 今、RAG FAIRでは毎年、メンバーの子どもが通っている保育園で歌っているんですよ。今年で3年目。うちの息子も来て、目の前で聴いていました。これは幸せでしたね。アカペラで、子ども向けの音楽も歌えるのがRAG FAIRのいいところだなって思います。

 今はそれぞれ別の仕事を持っているので、メンバーがそろって活動するのは年に1、2回くらい。だから純粋に、喜ばれることをやるのが楽しいねって思えるんです。全員子持ちで、RAG FAIRも今や大家族。保育園のステージの後にみんなでメンバーの家に行って、子どもたちと遊んで、夜は串カツ田中でご飯を食べて帰る。小さな幸せですけど、それが一番いいなと思っています。

 父の絵の師匠がかつて、「平凡は、非凡よりもやや難しい」って言ったそうです。すてきな言葉だと思いました。

 世の中に出ているいろんな教育の情報って、全部合ってますよ。ただ、「うちも〇〇しなくちゃ」じゃなくて、「それもありだね」っていうぐらいのほうがよっぽどいいなと思います。だって我々だって、これまでにちょっとは悪いこともしたでしょう? それでもこうして大きくなって、ちゃんと仕事をしている。

 思いと計画と努力したい気持ちがあれば、将来、息子がどんな道に進んでも構いません。自分がやっていることに誇りを持っているのであれば、こんなにすてきなことはありませんから。

(取材・構成/日経DUAL編集部 谷口絵美 写真/鈴木愛子)

土屋礼央(つちや・れお)
土屋礼央(つちや・れお) 1976年東京生まれ。2001年にアカペラボーカルグループ「RAG FAIR」のメンバーとしてデビュー。オリコンチャート1位・2位同時ランクイン、紅白歌合戦出場など、アカペラブームの立役者となる。個人では抜群のトークセンスを生かし、2002年から「土屋礼央のオールナイトニッポン」を3年半担当するなどパーソナリティーとしても活躍。現在、「土屋礼央 レオなるど」(ニッポン放送、月曜~木曜13時~16時)、「カメレオンパーティー」(NACK5、日曜16時~21時、放送時間は変動あり)、「西川学園高校、略してN高!」(ニコ生、毎月最終木曜22時~23時30分)にレギュラー出演中。2012年に結婚、6歳の息子がいる。