もうすぐ6歳になる息子と遊ぶときは、「いかに満足度を高めるか」を重視しているという土屋礼央さん。生活に関するルール決めでも息子の意思を尊重しているそうですが、朝の行動に導入されている「タイマー制」とは一体? そして、同じく相手を喜ばせるという視点から、妻が夫に投げかける言葉の裏にある心理を読み解きます。

息子といるときは常に「いいね!」

 家に帰ってから子どもが寝るまでの僕の約3時間は、完全に自分の欲望を捨て去るところから始まります。息子からいつどんなリクエストが来ても「いいね!」しか言いません。

 子どもって思いがけない行動を取ったりして、親の思い通りには動いてくれないですよね。そこでやっぱりイライラが発生する。でも妻に比べれば、僕が息子と接しているのは限られた時間です。「期待しない」という設定にすると、意外と平気です。

 恐らくここでご飯が食べたいと言ってくれるだろう、ここで服を着替えてくれるだろう、なんて思わない。変な話、そこは「仕事」ということ。息子がちゃんと独り立ちするまで育て上げるのは我々親の務めですからね。仕事のときは誰だって頑張るじゃないですか。

 僕は仕事をしているときが趣味というスタンスだから、毎日、大体夕方6時から9時は、子どもにどう楽しんでもらうかということだけに意識を集中させます。見たいテレビも見ようとはしないし、スマホもいじろうと思いません。アパレルで働いている人も、お店に立っているときはスマホ見ないですからね。そんな感じです。

 同じ遊んでいるのでも、スマホ片手に中途半端に接していたりすると、子どもの満足度が全然違うと思います。満足していないときは、そのまま寝るまで機嫌が悪い。息子と接しているときは、表情をすごく意識します。向こうもこっちの目を見てきますね。自分が何かをした後に僕がどういう反応をするのか、ものすごく見られているなあと思います。子どもは賢いですから、適当に受け流しているとすぐバレます。

 妻に対してと同様、息子のことも「どういうふうに先回りして行動すればOKか」みたいなことを考えているし、時には息子と一緒に「今これやったら絶対ママに怒られるから」とか小声で話したりもしています。僕はよくできたアニキみたいな感じですね。