澤穂希さん
澤穂希さん

 「娘にはちゃんと自己主張ができる子になってほしいですね。そのために、普段から意識して関わるようにしています。例えば、子どもがラムネを欲しがっているなと思ったら、自分から『ラムネが欲しい』と言わせるような声かけをします。子ども同士で『貸して』などを言うのはまだ難しいようですが、大人に対しては言えるようになりました。人に流されるのではなく、自分で考えて判断できる子になってほしい。そうした教育方針については、夫婦でしっかり話して、方向性は一致しています」

 娘がやりたいことを全力でサポートしたいと話す澤さん。その背景には、自身を支えてくれた母への感謝がある。小学生の時、サッカーに夢中になった澤さんは少年サッカークラブに入部を希望したが、女子という理由で一度断られた。だが、母親が頼み込んでくれた結果、仮入部が認められたという。それがのちのレジェンド・澤穂希が誕生する道を切り拓くきっかけになった。

 「今は娘に何も習い事をさせていません。自分が3歳から習わせてもらった水泳やピアノ、楽しい学習塾など、いろいろさせてあげたい気持ちはありますが、忙しくなり過ぎてもどうかな、と思いますし、悩ましいところです。娘にどんな可能性があるのかはまだ分からないですが、できるだけチャンスは与えてあげたいと思っています」

サッカーで身に付けた「常にベストを尽くす姿勢」

 澤さんはこれまでの人生の中で、自分が置かれている状況に対して常に全力で取り組んできた。その積み重ねが、「世界一」などの夢の実現につながった。