タレント、イラストエッセイストとして華やかな世界で活躍中の犬山紙子さん。一方、夫の劔樹人さんは、ミュージシャン・漫画家でありながら、専業主夫としての仕事を生活の中心に据え、娘チャゲちゃんの保育園の送り迎えにお世話にと、忙しい日々を送っています。そんなユニークな夫婦に、新時代の子育て事情はどのように映っているのでしょうか。犬山さんのエッセー、劔さんのマンガの2本立て連載でお伝えします。

無償化より先にやることがあるのでは、とやっぱり言いたい

 消費税が10パーセントになりました。私たちの財布のひもが硬くなることが予想されるであろう中(私は消費増税反対だったので「グギギ」って思っている。増税はインフレ時に行うものでは……? GDPの成長率が低くデフレの中、消費が冷え込むと景気は悪くなるのでは? 結果、税収じゃ減るんじゃないの? グギギ……)、幼児教育・保育の無償化が始まりました。これについては私は賛成です。国は子どもにお金をかけるべきだし、それは回り回って将来国を豊かにすることでもありますから

 ただ、思うところがある人が多いんじゃないでしょうか。よく聞くのはその財源、先に保育園全入化に使ったほうがよくない?ってこと。ベビーシッターも認可外保育扱いとなりますが、上限は月に3.7万円。この金額だととてもじゃないけどシッター代は賄えませんよね。

 が、全入化に向けて政府が何もしていないかと言えばそうでもないようで、令和2年度末までに約32万人分の保育の受け皿を新たに整備するといっています。ただこれを信じてよいのかどうか……。まだまだ子どもを保育園に入れるのは本当に大変だという声を聞きますから。毎年厳しい目で見ていく必要がありそうです。私も楽観視していません。