犬山紙子さんのエッセーと夫・劔樹人さんのマンガをお届けしている本連載。今回は犬山さんが、子育て中の親の余裕を回復させるためのメンタルヘルスの大切さや、ケアを受けるハードルを下げることを呼びかけます。ウィズコロナの暮らしが続き、心が疲れている人も多いのではないでしょうか。ぜひ参考にしてください。

子育てを支援する素晴らしい取り組みが増えています

 ここ最近見かけた、子育てにまつわる素晴らしいなと思ったニュースをまず最初にお届けします。

兵庫県明石市で、0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」スタート。配達員が赤ちゃんと保護者に会って、紙おむつなどの赤ちゃん用品を毎月無料で配布。その時に子育ての悩み事などがあれば相談できる。
→孤立させない、虐待防止にもつながる素晴らしい制度。

自治体を対象に江崎グリコが開発したオンライン子育て支援サービス「Co育てプログラム」、大阪府寝屋川市での導入が決定。家族のお互いの意識のすれ違いを認識し、家族というチームづくりに寄与することを目的とした体験型講座。妊娠中期・後期・出産後の合計3クラスで構成。外出自粛で孤立を感じている世帯をサポート。
→企業が子育てを支援していこうという流れ、いいですね。

フランスで子どもが生まれた父親を対象に、最低7日間の「父親休暇」(育児休暇とは別で、女性の産休に当たるようなもの)の取得義務付けの考えをマクロン大統領が表明。ちなみにフランスの父親休暇取得率は有権利者の67パーセント(※)。
→日本でも政府の骨太方針2020で、男性のいわゆる産休制度について触れられているので、その動向にも注目ですね。しっかり現場の人が使える制度になってほしいです。

※「フランス・父親休暇の評価報告」(2018年6月付)

子どもに対して余裕がなくなってしまった私自身の4連休

 というわけでこんにちは! これを読んでいる皆様、お元気でしょうか。わが家は9月にあった4連休が地味にキツく(保育園は休みだけど仕事はある)、連休明けに保育園のありがたみをかみしめています。

 4連休の4日目は余裕がなくなってしまい、子どものわがままからのギャン泣きに、「いや……そんなこと言われても……」と大人に対するような冷めた感じで接してしまい……。「やばい、余裕を取り戻さないとキツイことを言いそうだ」とベッドにダイブしました。

 これはタイムを取る感じです。ほんの短時間でも1人になると、なくなっていた余裕がじわじわ回復するので、やばいと思ったら子どもの安全を確保した上でタブレットを渡して自分は短時間ベッドへ逃げます(夫に頼める時は夫に子どもを頼む)。

 人間、休息なしに自分の感情をコントロールし続けるのって無理。スマホのバッテリーみたいに自分の「余裕残量」を数値化できたらいいのになあ。どれだけ愛があっても、どれだけ普段「かわいすぎて爆発する」と言っていても、余裕が全くなくなったら理想的には振る舞えない。育児周りで何かあったときによく言われる「愛が足りないせいだ」的な言説は滅びてほしいと思う今日このごろです