オンライン活用し、育児に第三者の目を取り入れよう

帆足 そうですね。一般的にはつらいときは誰かに話を聞いてもらうことがよい方法です。でも、この新型コロナウイルスの状況を考えると親御さんたちに必要なのは、誰かに話を聞いてもらうことだけでなく、今の生活を具体的になんとかすることだと思います。

 休園が続く中で私が提案したいのはオンライン保育です。保育園の先生に頼んで、スマホやタブレットの画面越しに「○○ちゃん、元気にしてる? きょうは少し先生と遊ぼう」と話しかけてもらうのです。その間、親は子どもと離れて自分の時間を持つことができます。オンライン保育の利点は、親子関係に第三者が入ることです。人はイライラしていても、第三者が入ると理性が働き、気持ちを抑えることができます

ーー 一部の保育園では、オンライン会議システムを利用して双方向のオンライン保育を始めているようです。1回の保育は30分ほどのようです。

帆足 週に1回だけ2時間やるような頻度より、1回の時間は短くても、親御さんが子どもとの関わりにゆとりを持てる頻度や回数が多いほうがいいでしょう。一日の気分転換になり、親も子どももその時間を楽しみにすることで自分をコントロールできるようになるからです。

犬山 「第三者」の視点が大切というお話でしたが、祖父母や友人とつながって話したり、子どもの相手をしてもらったりすることでもよいのでしょうか?

帆足 そうですね。ただし、保育者のような専門性はなく、不安をあおる人や叱る人もいるので、そこは気をつけて、子どもにとって「安全」な人を選んでください。子どもがお説教をされたらかわいそうでしょう。

犬山 「この人なら傾聴してくれそう」という人を選ぶのが大切なのですね。

帆足 親にとっては、人間を見るセンサーを磨くチャンスだと思います。