近年注目されているのが、わが子に過剰な期待と負担をかけ、結果として子どもの心を傷付けてしまう、いわゆる「教育虐待」です。この連載では、子どもを思う、よい親だからこそしてしまう恐れのある「教育虐待」について、マンガを通して考えていきます。コーチングの専門家である菅原裕子さん(ハートフルコミュニケーション代表理事)の解説と併せてお読みください。

エピソードvol.9 子を信じて任せるのは部下育てと同じ

 教育虐待が起こる原因の1つは、子どもに良い人生を送ってほしいという思いです。親の愛情からとはいえ、それで子どもが苦しんでいたり、将来弊害が出たら、それは虐待になってしまいます。そういった点で、子育てと職場の後輩育ては似ています。部下に良い仕事をさせてあげたい、成果を出させてあげたいと思い、よかれとやっていることが、ハラスメントになることもあるのです。

 子どもにしろ、職場の後輩にしろ、本人に任せ、親(上司)は応援に徹することが、上手な子育て(部下育て)の秘訣です。ここで気を付けたいのは、「応援」は、「褒める」とは違うこと。ひたすら褒められて伸びていく気質の子もわずかにはいますが、多くの子どもは、親がそばについて褒めて、褒めていると、褒め言葉が呪縛となり「もう、これ以上できない」と言えなくなってしまいます。そして、いよいよ「褒め(=親の期待)」を受け止めきれなくなると、「もう、親を喜ばせることはできない」という気持ちになり、家庭内で暴力を振るったり、不登校になったり、塾帰りに夜の街をさまよったりするようになるのです。

 それでは、「褒め」とは異なる「応援」とはどのようなことを指すのでしょうか。(菅原さん)

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