近年注目されているのが、わが子に過剰な期待と負担をかけ、結果として子どもの心を傷つけてしまう、いわゆる「教育虐待」です。この連載では、子どもを思う、よい親だからこそしてしまう恐れのある「教育虐待」について、マンガを通して考えていきます。東京成徳大学教授で臨床心理士の田村節子先生の解説と併せてお読みください。

エピソードvol.6 熱心なのはいいけれど……

 親が子どもが好きなことを応援し、成長を喜ぶのは、子どもにとってもうれしいこと。この親子も最初はそうだったのかもしれません。でもいつの間にか、お母さんにとって、子どもが自己実現の手段になってしまったようです。こういったことは、親自身が教育虐待を受けていて、やりたいことができなかったり、現在の仕事や暮らしに満足していない場合に起こりがちです。(節子先生)