理由ない「ダメ」が不愉快なのは大人も子どもも同じ

 ちょうど主人公と同学年の小学4年生の息子に、本を読んだ後、3つの質問に答えてもらいました。参考として記してみます。【   】は私が補足した部分です。

1.『ワンピース戦争』の中で、あなたが好きな人は? その理由は?

〈息子の回答〉
 青木先生。男の服装、女の服装などにこだわらずに、ファッションショーをやろうと言ってくれたり、昔はワンピースやタイツも男が着ていたなど(その逆も)、服装の歴史も教えてくれたりしたから。

2.『ワンピース戦争』の中で、あなたが嫌いな人は? その理由は?

〈息子の回答〉
 安藤先生。単純で、服装の歴史も知らないくせに、ワンピースは女が着るものとか決め付けているから。すぐ暴力を振るうから。

3.『ワンピース戦争』に登場するお母さんたちの違いについて、どう思いますか?

〈息子の回答〉
 主人公のお母さんはファッションショーに反対して、学校を訴えるというような、典型的【ジェンダー規範に従う人】なのだが、最初にワンピースを着てきた男の子のお母さんは、その子の着るのを手伝ってくれるなど、非ジェンダー【バイアス】なお母さん。

 息子の回答からは、子どもの意見を聞かずに「こうあるべき」という常識を押し付けてくる先生や親に対する反発が読み取れます。一方で、ワンピースを男性が着ている外国の事例を紹介してくれた先生のことは、好きと考えています。ここには子どもに何か話をするとき、根拠を示すことの重要性が表れています。理由もなしに「ダメ」と言われるのが不愉快なのは、大人も子どもも同じようです。

 この本について私と意見交換をしていたある日、息子は日直当番を活用して、担任の先生に許可を取りクラスメート38人に「アンケート」をしました。その結果、次のことが分かったそうです。