「そろそろ赤ちゃんが欲しい」と思っても、すぐに妊娠できるとは限りません。妊娠・出産が気になり始めたら、自分の体と向き合うところからスタートしてみませんか。この連載では、妊娠・出産を希望する人が知っておきたいリスクや役立つ情報をお届けします。

 「漢方的養生」の視点から、体を整え妊娠力を高めるとされる食事と生活習慣について、漢方薬局「桑楡堂薬局」の中医師、邱(きゅう)紅梅先生にお話を伺います。

 東洋医学では、食事や運動、生活習慣など日常のセルフケアを積み重ね、体質を改善していくことを「養生」と呼びます。この「養生」を応用すれば、妊娠に限らず、将来的な健康維持にも役立つといいます。

 「漢方」といっても、何も特別な食材を取り寄せるということではありません。黒ごまや海苔、人参など、スーパーマーケットで入手できる一般的な食材を意識して取り入れる習慣が大事なのだそうです。

「漢方的養生」視点から見た6つのポイント

 ではまず、「養生」を使った食生活について考えていきます。食事は、体を作っていく上でとても大切な要素。食べるものを意識し、今の自分に最適なものを選ぶよう心がけるだけで、体質は確実に変化します。東洋医学で妊娠力を高めるとされるのは、「腎」「血」「気」に関する食べ物です。

 ここでは、覚えておきたい6つのポイントをご紹介します。

●ポイント1 「腎」を補う黒い食べ物でホルモンバランスを整える

 漢方の考えでは、ホルモンバランスや自律神経の働きをつかさどる体の場所である「腎」(じん)を元気にすることが、妊娠力を高めるとされます。「腎」を元気にするのは黒い色の食べ物です

黒豆、黒ごま、海苔
黒豆、黒ごま、海苔

(例)黒豆、黒ごま、海苔、ひじき、きくらげ、きなこ、ブルーベリーなど

 時々ではなく、毎日続けることがポイント。「腎」を補う効果は多種類の黒いものを食べるほど高まるといわれ、色々な種類を取るのがおすすめです。おやつに黒豆の甘納豆を食べたり、グラノーラやヨーグルトに黒ごまや黒ごまきなこを混ぜたりと、毎日の生活に続けやすいものを取り入れてみてください。

 また、海老や牡蠣、うなぎ、ホタテ、あさりなどの魚介類も、「腎」を元気にするとされています。