毎週木曜日にお届けしている連載「DUALおでかけサポート」の、ゴールデンウイークスペシャルです! テーマは近年重要性が指摘される「非認知スキル」。非認知スキル向上に有効なおでかけスポットの選び方などを、上下編の2回に分けてお届けします。

下編では、「花まる学習会」代表の高濱正伸さんが登場。数理的思考力、読書と作文を中心とした国語力、野外体験を三本柱とし「魅力的で、メシが食える大人(=人から信頼され、自立・自活できる人)」を目指す花まる学習会は、非認知スキルをどのように捉えているのでしょうか? おでかけスポットを選ぶ際のポイントに加え、実際におでかけした先での親の関わり方についてを聞きました。編集部が選んだおすすめのおでかけスポット5選も紹介します。

【2019GW おでサポSP】
(上)非認知スキルに効く「共有型」のおでかけとは?
(下)GWおでかけスポットは「言葉の力」を意識して選ぶ ←今回はココ

現代を生きる上で一番重要な非認知能力は思考力

 非認知能力は、親が子どもをどんな大人に育てたいかということと、密接な関係があると高濱さんは言います。

 「現代を生きる上で一番重要な非認知能力が、思考力です。これは子どもたちを『メシが食える大人、モテる人』に育てるために必要なんです」

 20世紀後半から近年までは、「メシが食える大人」になることを「大企業に就職したり、医師や弁護士などの資格を持ち働いたりすること」と捉える傾向がありました。そのために、親は子どもが学力=認知能力を高め、名門と呼ばれるような大学へ進学し、就職に有利になるようにしようと考えていたのではないでしょうか。

 でも変化が激しい世の中では、「就職=一生モノ」ではありません。将来、この職業に就けば安定できるというものがないことは、子育て中の親御さんなら皆さん感じていることでしょう。

 「世の中が変化しても、生きるための活力と視点があれば、メシが食える大人になれる。そのときに必要なのが、自立するための子育て教育です。そして自立するためには、自ら関心や興味を持ってこれがやりたいと決めていく『主体性』がなければならない。だからこそ、思考力、つまり自分の頭で考える力が必要なのです」

 そして思考力を培うのには2つの力が大切だと高濱さんは続けます。

 「まず、物事の本質や要点を見抜き目に見えない相手の気持ちを推し量る『無いものが見える力=イメージ力』、そして物事を最後まで『やり抜く力』。この2つをいかに身に付けていくかということがポイントなんです」

 そしてこの見える力、やり抜く力には幼児期の経験が大きく影響するのだと高濱さんは言います。

<次のページからの内容>

● 外遊びは子どもたちの思考力をつけるのに最高
● おでかけスポットを選ぶポイントは「感じるごっこ」
● 正解のない“正しい”がたくさんあると分かる
● 大人が一緒なら、危険なことにも挑戦できる
● 「肯定ファースト」のおでかけが大事
● 親子で挑戦できるGWおでかけスポット5選