毎週木曜日にお届けしている連載「DUALおでかけサポート」は、「楽しい」だけでなく、子どもの能力を伸ばす「体験」ができるような、親子おでかけ情報を紹介しています。

今回はゴールデンウイークスペシャルです! テーマは近年その重要性が指摘される「非認知スキル」。「人格」「人間力」とも言い換えられそうなこのスキルは、さまざまな遊びを通して育むことができるといわれています。そこで非認知スキルをアップすることで子どものどんな可能性が広がるのか、そのために有効なおでかけスポットの選び方などを、上下編の2回に分けてお届けします。

上編では、お茶の水女子大学文教育学部の浜野隆教授に、非認知スキルとは何か、どんな体験が非認知スキルを上げるのかなどについて、お聞きしました。併せて、おでかけ先で子どもの非認知スキルを伸ばすためのポイントや、編集部が選んだおすすめのおでかけスポット5選も紹介します。

【2019GW おでサポSP】
(上) 非認知スキルに効く「共有型」のおでかけとは? ←今回はココ
(下) GWおでかけスポットは「言葉の力」を意識して選ぶ

昔から日本の教育で重視されてきた

 近年話題になることが多い「非認知スキル」とは、端的にいえば「忍耐力や協調性、自尊心」などのこと。浜野さんは「言葉としては目新しいかもしれませんが、日本の学校教育ではながらく重視されてきた能力です」と話します。

 「認知スキルとは、学校で習う文字の読み書きや計算など、数値化できる学力のこと。これに対して非認知スキル(社会情動的スキル)はそれ以外の能力。『学びに向かう力』とも表現され、挫折しても立ち直ったり、人と関わって何かを成し遂げたりする力のことをいいます。こうした能力は学校教育において重要な能力です」(浜野さん)

 非認知スキルを測る実験に、スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルが50年にわたり600人を対象に行った「マシュマロ・テスト」があります。これは4歳児を対象に「今すぐ1個のマシュマロを食べるか、15分我慢して2個食べるか」を選ばせるというもので、15分間我慢できた子どもは自制心が強く、将来的に学校の成績が良かったり、肥満率が低かったりするという結果が示されています。

 「この実験の日本版として『子どもの頃、夏休みの宿題を早く終えたかどうか』という調査があるのですが、『早く終えた』と答えた人は負債を抱える率や肥満率が低く、飲酒やギャンブルの傾向も低いことが分かっています」と浜野さん。

<次のページからの内容>

● 非認知スキルは認知スキルとも相関関係がある
● 社会的に成功するためには非認知スキルが大切
● 子どもの興味関心に合わせて選ぶ
● やることが決まった場所より、自由に行動、感じられる場所
● 大人も一緒に楽しむ「共有型」のおでかけを
● 普段は時間が取れないからこそGWはチャンス!
● 子どもの自主性を伸ばす!「共有型」のGWおでかけスポット5選