「良き父親像」を出し過ぎた?
―― エイイチさんは連載を振り返って、いかがでしょうか?
エイイチ 連載中、保育園のママ友から「DUALで描いてるの、○○くんのお父さんでしょ?」と声をかけてもらうことがすごく多くて、改めて日経DUALは共働きのママやパパにすごく読まれているんだなと感じて、うれしかったですね。
それに、食物アレルギーの絵本とか、子どもに読んでもらいたいものを描くときに、「DUALで描いているんです」と先方に伝えると、すごく安心してくれるんです。だから、今は「DUALで描いていたんですよ」とさりげなく過去形にして言っています(笑)。
―― 「こうすればよかった」とか、何か反省点などはありますか?
エイイチ 最初、「DUALに載る=あまり悪い見本を描いちゃいけない」という思いが僕の中にあって。ちょっと「良き父親像」を強調しすぎちゃったかなと思っています。
一度、息子を怒りすぎたのを反省した話を描いたときに、読者のリアクションがすごくよかったんです。そのとき、「素の父親」を描いていいんだなと思いました。特に連載の前半では、そのあたりが分からなくて、最初から素でいけばよかったかなという思いは少しありますね。
―― すごく良いパパだなと思っていましたよ。まさに絵に描いたような(笑)。
エイイチ いや、実際良いパパですよ? 絵に描いている通りです(笑)。でも、そういう部分をひっくるめての「良いパパ」を表現できればよかったなと思いました。
岡山 やっぱり、DUALには「共働き子育てを応援する」という確固たる理念があるので、「意識しなくてもいい」と言われても意識しちゃいますよね。僕も最初はしていました。
最初は、どういうポジションで描けばいいのかということについて、すごく迷っていましたね。安易な「子育てマンガ」とは思われたくなかったというか。全然関係ない人が見ても、「面白い」と言ってもらいたかったので。
―― 読者がパパやママでなくても、面白いと思ってもらえるものにしたかったということですよね。
岡山 そうですね。連載後半からは、「子育てマンガ」から連想される「ゆるかわいい」イメージから少し離れて、パンダ親父の素の部分を出していくことができるようになりました。
構成/荒木晶子 イラスト/岡山進矢、エイイチ
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