記事の挿絵イラストがきっかけだった

―― 「パンダ親父」と「毛無毛なパパ」は、ほぼ同時期に連載が終了しました。改めて連載を振り返ってみてのご感想をお聞かせください。

岡山 先ほども言いましたが、マンガのお仕事をいただけるというのは、それだけでうれしかったです。

 それに、デザイナーとして仕事をしている限り、自分の名前で作品が発表されるということはまずないので、「これ、僕が作ったんだよ」と子どもにも、周囲にも言えて、最後まで責任が持てる作品を作れたのが、すごくありがたかったですね。

―― もっとこうすればよかったというような点はありますか?

岡山 実は、今も見るたびに描き直したい衝動に駆られるんですが……(苦笑)。もうちょっとラクにやればよかったなとは思いました。

 絵はパソコンで描いていたんですが、どうしても絵を描き始めると時間をかけてしまう癖があって。下書きの段階ではすごく雑に描いているんですが、色を塗る段階になると細かいことが気になってしまって、ピクセル単位に拡大して塗ったりしていたんです。そうすると、ムチャクチャ時間がかかるんですよね……。

 今考えると、そんなことに時間をかけるぐらいなら、もうちょっと線をちゃんと描くとか、構成をもっと分かりやすくするとか、他にやれることがあったのにと思うんです。

 どこに力を入れて、どこで抜くのかといったバランス感覚は、連載を重ねていかないとなかなか分からないもので、「ちょっとずつ分かってきたかな」というときに連載が終わりになってしまいました(苦笑)。というか、そこがつかめるまでに時間がかかりすぎなんですよね。4年間ですから。またそれを生かす機会があったらうれしいなと思っています。

―― 連載中はどんな風に思って描かれていたんですか?

岡山 楽しかったですね。変な話ですが、デザインや他のイラストの仕事をやりながら、空き時間とかにノートにアイデアをスケッチしたり、1コマだけペンを入れてみたり、そういう仕事のやり方をしていたんです。1日の中での気持ちのクッションというか、息抜きの仕事になっていた面もあって。今はそれがなくなって手持ち無沙汰で、お菓子を食べてしまったりして、無駄にカロリーを摂ってやり過ごしています(笑)。

―― 話は実体験が多いのでしょうか?

岡山 実体験は4割くらいでしょうか。毎日の生活の中にあるちょっとしたエピソードをメモしていて、それを膨らませたり、形を変えたりしながらネタにしていました。