「お迎えの時間があるので、子どもを持ってからは必然的に生産性が上がった」というのはよく聞く話。人事考課に「時間生産性」の評価を設ける企業も現れ、時短社員、正社員にかかわらず、生産性向上は今や重要なテーマです。特集の第1回では、企業の動向をよく知る、東レ経営研究所の塚越学さんと、社員の多くが17時に帰る会社「ランクアップ」社長の岩崎裕美子さんにお話を伺いました。

【仕事時間プライオリティーの法則特集】
第1回 仕事と育児の両立 生産性アップは時代の要請 ←今回はココ
第2回 ポピンズ社長 一番大切にしてきたのはいつも「家族」
第3回 グーグルCMO テクノロジーはこうして味方にする
第4回 時間泥棒「メール」はスキルを磨けば誰でも高速化
第5回 外資系コンサルが伝授!超実用「倍速」仕事術

社員の生産性を評価する制度を実施中の10社の事例

 仕事と育児を両立するに当たり、「プライオリティー(優先順位)決め」は何より大事。「これが私のプライオリティー」と決めたら、あとは生産性をアップさせることに集中すれば、成果も上がり、評価もされるという好循環が始まります。では、社員の生産性を評価しようとしている企業は、どのような制度を実施しているのでしょうか。

 「第2回 共働き子育てしやすい企業グランプリ」(昨年、日経DUALが発表)の企画のために、DUALが約100社を対象に実施した調査では、下表の通り、10社が社員の生産性を評価する制度を実施していることが分かりました(表は2ページ目ですべて見られます)。

2019年4月の改正労働基準法施行で、時間外労働の上限規制が導入される

 この一方、企業の働き方改革に詳しい、東レ経営研究所の塚越学さんは言います。

 「2017年下旬のDUAL調査では先進企業の取り組みが明らかになりましたが、残念ながら、その他多くの企業ではまだ『時間当たりの生産性』を評価する制度がほとんど実施されていないのが実態です」

「改正労働基準法が2019年4月から施行されれば、企業の時間外労働の上限規制が導入されます」(東レ経営研究所の塚越学さん)
「改正労働基準法が2019年4月から施行されれば、企業の時間外労働の上限規制が導入されます」(東レ経営研究所の塚越学さん)

 今後、社員の生産性評価については、先行企業とその他の企業の間の差が開いていくとみられます。「しかし」と塚越さんは続けます。

 「今まさに国会で議論されている改正労働基準法が2019年4月から施行されれば、企業の時間外労働の上限規制が導入され、これまで抜け道として利用されがちだった臨時的な特別な事情がある場合でも、この改正で初めて法律による上限基準が設けられます。そして、違反した場合は、これまでなかった罰則を付すことで強制力を持ちます。さらに同じ内容が若干の猶予期間を経て、中小企業にも適用されます」

 「つまり、これまで多くの日本企業で、時間を意識せず業務を行い、業務終了したときが、勤務時間の終了だった場合でも、これからは労働時間は限られた経営資源となるため、時間当たり生産性向上を、本気で考えなければいけないタイミングが来たと言えます」

 「DUAL読者の多くは、お子さんをお持ちの働くママ・パパの皆さんですが、子育て層は保育園の送迎や病時の看病、保護者会への参加など、限られた時間でいかに成果を上げるかに直面している人々です。つまり、時間当たり生産性向上の取り組みを個人的に行ってきたわけで、改正労働基準法の下では、今まで鍛えてきた『早く帰る』能力を発揮するチャンスが到来するとも考えられます」

 3歳、6歳、9歳の3人のお子さんを持ち、ほぼ毎日、保育園の送迎を担当する塚越さんの言葉は、説得力たっぷりです。

<次のページからの内容>
● 社員の生産性を評価する制度を持つ企業10社の詳細を公開!
● ランクアップ社員が最も優先するものは「●●」
● 「業務棚卸表」が生み出した、目に見える働き方の変化とは?
● 会社ぐるみで導入するソフトやアプリケーションを実名で紹介
● ミスや無駄時間を削減するための方法
● 子育て中社員ならではの生産性アップの秘訣

次ページから読める内容

  • 社員の生産性を評価する制度を実施中の10社の事例
  • 仕事の判断基準を明確にすることで、仕事のムダを削る
  • 不要な業務をせず、「挑戦」に集中するために、システム投資も惜しまない

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