中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親たちが知りたいのは、“中学受験の親”を経験した先輩デュアラーのリアル体験。

 そこで、DUALでは受験を終えた“先輩・中学受験親”に、共働きの中学受験について根掘り葉掘り聞いてみました。共働きのリアル中学受験をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)。

《プロフィール&共通データ》

母:櫻井希美さん(45歳・メーカー勤務)

長男:櫻井知哉くん(2018年4月より浅野中学へ進学)

【家族】父(45歳・金融勤務)

【通塾】小4から日能研へ

【受験校】1月10日 栄東・A日程=◎ 1月12日 栄東・東大特待Ⅰ=× 2月1日 逗子開成=◎ 2月2日 聖光学院=◎ 2月3日 浅野=◎

【受験総費用】250万円(3年間)

【習い事】サッカー(年中~年長)・英会話(年長~小5)・スイミング(小1~小6夏前)

【受験以前の家庭学習】Z会(小1~小3)

中学受験をする子は学年の約1割。それでもわが子は私立向きだと思った

日経DUAL編集部(以下、――) 受験をしたきっかけは何ですか?

櫻井希美さん(以下、櫻井さん) 中学受験の存在を知ったのは、息子が年中のとき。通っていたサッカーチームの先輩ママに話を聞いたのがきっかけです。夫も私も関東出身ですが、中学受験とは無縁の子ども時代を過ごしていたので、そういう選択肢もあるんだなあ、と。

 ところが、地元の小学校に入学すると、中学受験をする子は学年の約1割と知ってびっくり。わが家のある横浜は、最寄りの駅によって学校のカラーが大きく違うんです。サッカーチームの先輩が通っていた小学校では、中学受験が盛んだけれど、一つ隣駅にある息子の通う小学校では、ほとんどの子が地元の公立中に通っていました。

 でも、息子は勉強が好きで割と得意だったし、いい意味で個性的な子なので、私立中に進学したほうが伸び伸び過ごせるのではないかと思いました。そこで、夫に相談してみると、「確かにそうかもなぁ」と反対もしなかった。特別に何か大きな理由があったわけではないけれど、息子はロボット開発や鳥人間コンテストなどモノづくりに興味を持っていたので、そういう道に進むための選択肢の一つとして、中学受験をさせてみてもいいのではないかと思ったのです。

受験校への交通アクセスや、合格発表までの流れを1枚のシートにまとめた
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―― 塾はどこに通いましたか?

櫻井さん わが家の最寄り駅には、いわゆる四大大手塾がそろっていなかったので、たまたま最寄り駅にあった日能研に通うことにしました。後で知ったのですが、日能研は「本部」と「関東」と2つの会社に分かれていて、同じ日能研の看板で、同じテキストを使っていても進め方が全く違うんです。息子が通っていたのは「本部」で、こちらは中学受験塾としては緩め。中学受験は塾の宿題の多さに振り回されると本で読んでいたけど、宿題はほんの少し。あとは家庭でやることを考え、進めていかなければなりません。

 息子は最初のクラスは3クラス中の真ん中でしたが、次の組分けテストで上位クラスに上がり、それ以降はずっと上位クラスに在籍していました。塾の授業も楽しんでいて、5年生の秋までは順調でした。家族で旅行もよく行っていましたね。

―― 志望校はいつ決めましたか?