中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親たちが知りたいのは、受験生の親を経験した先輩デュアラーのリアルな体験談。

そこでDUALでは、受験を終えた先輩親に、共働き家庭での中学受験について根掘り葉掘り聞いてみました。リアル中学受験体験談をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)。

《プロフィール&共通データ》

母:中村陽子さん(42歳・フリーランス)

長男:中村陸人くん(2022年4月から芝中学へ進学)

【家族】 父(45歳・IT企業)

【通塾】 西郡学習道場(花まるグループのオンライン塾)小5の11月~

【受験校】 1月10日=大宮開成中◎ 2月1日午前=芝中◎ 午後=青陵中◎

【受験総費用】 約100万円

【習い事】 水泳(小2~小5)、プログラミング(小3~小6)

【コミュニティー】 昆虫塾、野鳥の会

【受験以前の家庭学習】 花まる学習会(年中~小5夏まで)

遅過ぎる受験勉強スタート、救ってくれたのはオンライン塾

日経xwoman DUAL(以下、──) 中学受験をしようと考えたのはいつ頃ですか?

中村陽子さん(以下、中村さん) わが家が暮らすエリアでは、小学校のクラスの9割が中学受験をしています。私たち夫婦は中学受験の経験がなく、どちらかといえば行き過ぎた中学受験に違和感を持っていたのですが、好き嫌いがはっきりしている息子の特性を考えると、公立中学校に入ったら苦労しそうだなとも感じていました。

 息子は小さいときから虫や鳥などの生き物が大好きで、その没頭力を大切にしたいと思っていました。年中から花まる学習会に通っていたのですが、3年生のタイミングで公立でも私立でもどちらでもいいようにと同じグループの「受験コース」に切り替えてみることにしたのです。ところが、受験コースは勉強が難しかったようで、早々に「行きたくない」と言い出し、元の教室に戻ることになりました。

 風向きが変わったのは、新型コロナウイルスが流行し始めた小学5年生の初め。学校の授業がオンラインに切り替わった途端、「俺、受験しようかな」と言い出したんです。息子は少し幼いタイプで、自分の好きなことには没頭するけれど、友達にはあまり関心がなく、一人で過ごすのを好んでいました。それが、オンライン授業になってから、逆に友達とつながるようになって、そのときになって実は周りの子はみんな受験勉強を頑張っていると知ったんですね。

 そして、「あれ? 俺は受験しないの?」と言ってきたんです。親からすると、「あなたは中学受験の塾をやめた過去があるのを忘れたんですか?」って感じでしたね(笑)。

 だけど、「でも、俺、今ならできるかも」と言ってきまして。「いやいやもう5年生だよ! 今から始めるってことは、相当努力しないとどこにも受からないよ! 本当に頑張れるの?」と何度も本人に意思確認をしたんです。それでもやりたいと。ちょうどその頃、身長が急に伸びて、身体の成長と同時に心も成長しているように感じました。不安がなかったわけではありませんが、本人のやる気が出た今なら受験をしてもいいのではないかと思い、周りから1年以上遅れて受験準備をすることにしたのです。

 ところが、いざ始めようとしても、大手塾はもちろん、中堅塾や個人塾でさえも、5年生の9月から入塾できるところはありませんでした。これは困ったなと思い、花まる学習塾に相談してみると、同じグループに「西郡学習道場」というオンライン塾があると教えてもらい、10月に体験授業を受け、11月に入塾することになりました。

―― 中学受験でオンライン塾を利用するのは少数派だと思いますが、授業はどのように進められていくのですか?

直前期に塾の先生と生徒で作成したお守りと、家族が購入した学業札
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