中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは、仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親達が知りたいのは、“中学受験の親”を経験した先輩デュアラーのリアル体験。

そこで、DUALではこの春、受験を終えたばかりの“先輩・中学受験親”に、共働きの中学受験について根ほり葉ほり聞いてみました。新連載『中学受験親、集まれ!』では、6回にわたって、共働きのリアル中学受験をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)。

《プロフィール&共通データ》

母:岡本理恵さん(39歳・IT企業勤務)

長女:岡本亜貴さん(2018年4月から東京都立桜修館中等教育学校へ進学)

【家族】 父(42歳・大手商社勤務)・次女(小4)・長男(1歳)・祖母(66歳)

【通塾】 小2の2月から早稲田アカデミー(小6からNN特訓雙葉中を追加)、小6の11月からena(日曜特訓)を追加

【受験校】 2月1日=雙葉中◎、2月2日=渋谷渋谷中◎、2月3日=桜修館◎、1月受験=浦和暁の星中◎、その他の出願校…なし

【受験総費用】 約340万円

【習い事】 小1~現在まで英語、小5まで水泳、小6の夏頃までピアノ

【受験以前の家庭学習】 こどもちゃれんじ

両親共に地方出身。中学受験については右も左も分からなかった

日経DUAL編集部(以下、――) 中学受験を始めたきっかけは?

岡本理恵さん(以下、岡本さん) きっかけはささいなことでした。娘が小2のとき、夫が学生時代に所属していた大学の馬術部に連れて行き、馬に乗せてあげたんです。すると亜貴がとても喜び、「馬に乗れる学校へ行きたい!」と言い出しました。「慶應中等部だったら馬術部があるよ」なんて夫が言うものだから、本人もその気になっちゃって。「ママ、私、中学受験するから塾に行くよ」と(笑)。

 とはいえ、夫も私も東京の大学で学んだものの、高校までは地方の公立校に通った、いわゆる地方出身者。「東京の中学受験そのものが全く分からない」といった状態でした。

 娘はというと、もとから読書が大好きで、勉強も割と得意。娘の“宣言”の通り、小2の2月から塾に入れました。早稲田アカデミーを選んだのは、家から20~30分とアクセスが悪くなかったことと、授業を体験した娘が「ここに通いたい」と言ったからです。

―― 受験校はいつ頃決めましたか?

岡本さん 小4になり、学校説明会や学校行事にポツポツと参加するようになりました。中学受験を始めるきっかけとなった慶應中等部には真っ先に行きました。伝統校らしい品の良さを感じる学校でした。それ以外にも女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉)をはじめ、渋谷教育学園渋谷、普連土、頌栄、青山学院中、東京農大第一などたくさんの私立中高一貫校を訪れる中、ふと、娘の幼馴染から誘われ、自宅から約30分のところにある公立中高一貫校、桜修館の文化祭に行くことになりました。

 広いグラウンド、快活な生徒たち、各クラスが発表する劇の充実ぶりなどから、「この学校、楽しそう」「娘に合っているのでは?」とうっすら感じました。見たい展示の場所が分からず、生徒に聞くと男女とも明るく活発な対応で好印象を受けました。やらされ感が全くなく、自分たちから率先してお客対応をしているように感じました。どこか自分の出身校でもある地方の県立高校の生徒に雰囲気が似ている気がして、親近感を抱きました。

 その帰り道。娘に「どうだった?」と聞くと、「この学校、好きかもしれない」と。この思いは母娘一緒に、3度、文化祭に通うごとに確信に変わっていきました。慶應中等部にはその後も何回か足を運びましたが、そのたびに「何かが違う」という違和感が残りました。というのは、娘はおてんばな性格。慶應中等部の大人びた雰囲気の生徒たちを見て、この学校に通う娘の姿を重ね合わせることができなかったのです。

―― 私立中受験から公立中高一貫校受検へと舵を切ったということでしょうか?

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<次のページからの内容>
● 私立から公立中高一貫校へ第一志望校を変更。塾の対応に戸惑う日々
● 第一志望を確定するのはやっぱり大事だった
● 塾の通常授業と学校別対策コース、家庭教師、さらに別塾を併用
● 仕事に甘え、“受験親”業に向き合っていなかった自分を後悔
● もっと早く、塾の先生方に本音で話せばよかった