中学受験には親のサポートが不可欠。でも、共働きのデュアラーは仕事との両立が大変! 自分なりには一生懸命やっているつもりだけど、本当にこれでいいの? そんな親たちが知りたいのは、中学受験の親を経験した先輩デュアラーのリアル体験。

そこでDUALでは、受験を終えた先輩・中学受験親に、共働きの中学受験について根掘り葉掘り聞いてみました。リアル中学受験をお伝えします(取材対象者はすべて仮名。学年や年齢は取材当時)

《プロフィル&共通データ》

母:西澤百合子さん(45歳・広告代理店)

娘:西澤涼(すず)ちゃん(2020年4月より洗足学園中学へ進学)

【家族】父(52歳・金融)

【通塾】小4の9月から地元の中規模塾、小5の10月から算数専門塾を併用

【受験校】1月13日=佐久長聖=◎ 2月1日AM=洗足学園× 2月1日PM=普連土学園(算数1科)◎ 2月2日=洗足学園× 2月2日PM=普連土学園(1日合格のため受験せず) 2月5日=洗足学園× 2月12日=洗足学園◎(繰り上げ合格)

【受験総費用】250万円

【習い事】体操(年少~小1)、ピアノ(年少~小4)、英語(年中~小4)、水泳(年長~小3)、バレエ(年長~小3)、新体操(小1~現在)、アトリエ(小1~小4)、そろばん(小2~小4)、日舞(小2~現在)、ガールスカウト(小1~小4)

【受験以前の学習】Z会(小1~小4の夏まで)、グリムスクール(小3~小5)

新体操を続けるために受験を選択。わが家の方針を応援してくれる塾に出合えた

DUAL編集部(以下、――) なぜ中学受験をさせようと思ったのですか?

西澤百合子さん(以下、西澤さん) 幼い頃から子どもが興味を持ったものはできる範囲でサポートしてきました。数々の習い事をやらせてみましたが、娘はどれも楽しみながら取り組み、そろばん2級合格、水泳は特別コースに進むなど、それぞれ力を伸ばしていました。中でも熱中していたのが新体操です。

 娘は性格的にアスリートを目指すストイックなタイプではなく、かといって趣味の範囲という取り組み姿勢でもありませんでした。将来のアイデンティティーの一つと考え、特技として続けていくことを考えたとき、強豪ではない新体操部のある中高一貫校へ進学することが理想ではないかと思ったのです。

 あくまでも学業優先で、中学では部活とクラブチーム併用で好きなことに打ち込み、高校では部活を続けながら、留学など様々な学びを経験し、大学進学を目指してほしい。また、部活を通じて生涯の友と出会ってほしいと思い、私から娘に勧めました。

―― 受験を決意されてから、新体操は続けていたのでしょうか?

西澤さん 当初は夏までを予定していましたが、結果的に小6年12月末の発表会まで続けました。忙しくなる前、小3、4年の間にリサーチと学校見学を済ませた結果、都内御三家には新体操部はありませんし、新体操を真剣に続けながら受験をするとなると、クラス移動のプレッシャーもある大手進学塾に通うのは難しいと思いました。また、受験勉強を始めた時期が遅かったこともあり、娘自身も知り合いがいる塾に通いたくなかったようです。

 そこで、学区から少し離れた地元の中規模塾に4年生の9月から通うことにしました。受験を本格的にするとなると、本来小学校生活で経験できたであろうことの犠牲を少なからず伴います。合格がゴールではなく、受験経験を通じて何が得られるかを掘り下げた結果、その塾の「10年先まで見つめ、夢の実現を応援する」という教育理念が心に響きました。合格校実績が偏差値ではなく、あいうえお順で記載されていたことも決め手の一つです。塾長面談でわが家の方針と想定している志望校を伝えたところ、「お嬢さんのやりたいことを全力で応援します」と受け入れてくれました。この塾との出合いがなければ、途中で中学受験を諦めていたかもしれません。

試験予定や1日のやることリストをノートに記入して子どもと情報共有。入試結果発表の時間、各関係者へ電話したり、不合格だった場合の5日申し込みなども混乱しないように書いておいた
試験予定や1日のやることリストをノートに記入して子どもと情報共有。入試結果発表の時間、各関係者へ電話したり、不合格だった場合の5日申し込みなども混乱しないように書いておいた