10月「保育無償化」で浮いたお金は積み立てに回す

 保育園児がいるDUAL家庭にとって、2019年の大きな話題の一つが「幼児教育・保育の無償化」です。これは、幼稚園や保育所に通う3~5歳の全ての子どもと保育所に通う0~2歳の住民税非課税世帯の子どもについて、保育料を無料とする施策です。

 住民税が非課税の世帯については、0歳~2歳児も無償化の対象となり、認可保育施設利用料に月4万2000円まで補助が出ます。3~5歳の子どもは認可保育園、認定こども園の保育料は無償となり、認可外保育園の場合は、月額3万7000円まで補助が出ます。幼稚園に通い預かり保育を利用している場合も、3万7000円まで補助が出ます。

 井戸さんは「消費増税で支出が増える分、貯蓄が苦しくなるかもしれませんが、保育料をその補てんに回すのは避けましょう。無償化になった分は、教育費の積み立てを1つ増やすか、これまでにしていた積み立ての金額を増やし、自動的にお金がたまるようにしておくといいですね」と話します。

 「DUAL世帯の皆さんは、年間150万円貯蓄をする方もいて、とても堅実です。そこをもう少し増やせないか、固定費を見直してみるといいですね。固定費は家賃や住宅ローン、保険料、習い事などの子ども費です。保険料は掛け捨てのものだけで手取りの10%を超えていたら見直してください」

 「子ども費も要注意です。子どもは成長すると、かかってくるお金の規模も大きくなります。『留学したい』『医学部に行きたい』というときにはドカンと必要になります。そのときに、希望をかなえてあげたいですよね。

 5年後、10年後を見据えて自分の学びに時間とお金を投資するとともに、さらに堅実にコツコツためる習慣を付けていきましょう」

井戸 美枝(いど みえ)
社会保険労務士。CFP。一級ファイナンシャル・プランニング技能士
氏名(しめい) 講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。 社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。 経済エッセイストとして活動。

取材・文/福本千秋(日経DUAL編集部) イメージカット/鈴木愛子