消費増税で負担増は年4~5万円。外食が多い家庭はさらに増える可能性も

 10月にはいよいよ増税が予定され、消費税が8%から10%に引き上げられます。ただ、今回の増税では、外食と酒を除く食料品などは8%に据え置かれる軽減税率を設けられています。ハンバーガーを持ち帰ると8%ですが、お店で食べる場合は外食なので10%です。ピザの宅配やそば、お寿司の出前は8%ですが、ケータリングや出張料理は10%になります。

 景気が後退し、増税が見送られるという説もありますが、もし増税が実施されると、DUAL世帯にはどのような影響があるのでしょうか。井戸さんは「家計の中で大きな割合を占める食料品が軽減税率の対象となり、クレジットカード払いで還元ポイントがあるなど、さまざまな緩和策も取られているため、家計への影響はそれほど大きくないでしょう。第一生命研究所の調査によると、2人以上世帯の場合、年間で平均4万4000円の負担増と予想されています

 「ただし、外食や習い事、塾代、参考書、旅行代などは10%の対象となります。外食やレジャーが多い家庭は4~5万円では済まない可能性も。習い事も『なんとなく』で続けている場合は、見直す機会かもしれません」

車、住宅、家電。「駆け込み」購入すべきものは?

 消費増税前に気になるのが「駆け込み」で買ったほうがよいものです。井戸さんは「50万円以下の中古車は、増税前なら自動車取得税が0円です。増税後は取得税が廃止され新税制に変わります。そうなると課税される可能性が大なので、気になる車があるなら、買ってもよいでしょう。新車の場合は、電気自動車、PHV車、平成32年度燃費基準値+10%達成車などのエコカーは、増税分2%と増税後の自動車取得税廃止の差がほぼ同じなので、急ぐ必要はなさそうです」と話します。

 マイホームについては、「金額が大きいぶん、2%増税すると支払い金額に大きな差が出るものの、高額な買い物だけにあわてて買うのはやめましょう。もともと購入予定がある場合のみ購入を早めることを検討を」とのこと。「中古物件は売主が課税事業者の場合には消費税の対象になりますが、個人の場合はかからないことに注意しましょう。仲介手数料には消費税がかかります」

 「家電も金額が大きいのですが、増税前は駆け込みセールで値引き、増税後には"消費税還元セールがありそうなので、どちらで買うかは微妙です」

 下記のようなものは買っておくとよいそうです。

・電車の定期券・回数券 転勤や経路の変更がなければ、増税直前に6カ月分を購入するとよい
・ガソリン ガソリンは1回分満タンにしておくとよい
・酒類 ミネラルウォーターは8%に据え置きですが、アルコールは10%にアップ。家飲みが多い人は買いだめがおすすめ
・消費期限が長い医薬品 期限を確認したうえで買い置きしましょう
・日用品 紙おむつ、ティッシュ、トイレットペーパーなど、よく使うものはスペースが許せば多めにストックを。紙おむつはサイズに注意を
・クリーニング 意外と高いので、衣替えを早めにできるなら9月中に出すとオトク