日経DUALでは、2018年2月、デュアル世帯の家計について計70問に及ぶ大調査を行いました。家計特集の第1~3回では、その結果を分析しつつ、ファインシャル・プランナーの内藤眞弓さんに、貯蓄や保険、投資に関するアドバイスをいただいてきました。特集第4回ではいよいよ、「なんだかうちより豊かに見える“隣の家計”のカラクリ」を内藤さんとひもといていきます。
【気になる! 隣のデュアルの家計事情】
(1) 堅実?浪費?デュアラーの家計実態を大調査
(2) 共働きのレジャー・習い事費、住宅ローンはこう払う
(3) ためどきは上の子小3まで 年間300万目標の内訳
(4) 「もしかしてお金持ち?」に見える人のやりくり事情 ←今回はココ
(5) 島地勝彦 親がまず自分に投資し“人生”を磨け
海外より国内派。費用は10~30万円
今回のアンケートでは、「あなたの周囲に『あの家庭がどうやってそんな旅行を?』『どうしてあんなマンションが買えたの?』『お金のかかる習い事ばかりさせていてすごい』と思わせるような暮らしをしている人はいますか?」という質問をしました。その回答の中から、海外旅行や私立受験、インターなど、多くのかたが気になる要素を含む4人のエピソードを取り上げ、内藤さんにそのカラクリを推察してもらい、問題点を指摘してもらいました。ご自身の家計の見直しにもお役立てください。
内藤さんの分析
マンションへの投資が資産形成の仇になる可能性がある
夫婦ともに大手企業にお勤めでしたら、サラリーマンでも銀行からの借り入れでマンションを2軒買うことは不可能ではありません。ですが、1軒を賃貸に出しているとしても、収益をもたらしてくれる財産として回っているかどうかはわかりません。購入時に販売会社は「節税になりますよ」と言って、家賃収入のシミュレーションをしてくれます。家賃保証もしてくれます。販売会社は収益○○%と言うかもしれませんが、更新時に同じ条件が引き継がれるかはわかりません。空室になってしまうかもしれないのです。
しかもマンションは劣化し、メンテナンス費用が発生します。管理費も必要です。もちろん投資対象としてうまく行く場合もありますが、かなり戦略を練って、立地や物件を選ぶ必要があります。例えば、古くからの住宅地で環境が良く、マンション事体にも希少価値があるなどです。
Aさんの同僚も「マンションを2軒持っている」という面だけを見ると、かなり羽振りが良いように思えます。おっしゃるように今は、マンションの収益でお子さんたちを私立に行かせたり、ブランド品を買っているのかもしれませんね。親からの援助かもしれません。でも、もし借り入れで購入しているとしたら、今後はマンションが資産形成の仇になっていく可能性もあります。安易な追随は禁物だと思います。
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