仲良し夫婦でも、「なんでもどこでも一緒」は無理

 ただ、夫婦の時間をつくればそれだけでいいかと言うと、そうでもありません。夫婦旅行の旅先での過ごし方でも紆余曲折がありました。一緒に韓国旅行をした際、妻は「ショッピングがしたい」と言うのですが、僕はショッピングが大嫌い。現地で大げんかになってしまいました。

 せっかく夫婦で仲良く過ごすための旅行がこれではまずいと思い、次の誕生日のときは京都旅行にして、観光名所を巡ってひたすらおいしいものを食べるという内容にしました。そうしたら、妻が「今までで一番楽しい旅行だった」と喜んでくれて。お互いに無理をしてはダメで、僕らは一緒に買い物には行かないほうがいいと分かりました。

 スーパーへ食材を買いに行くのはOK、でもウィンドーショッピングはダメ。そこを線引きして、妻がショッピングをしたいときは「今日は楽しんでおいで」と送り出す。仲良くしたいからといって、「なんでもどこでも一緒」というのは無理があるんです。

 スキンシップや一緒に時間を過ごすだけでなく、言葉で愛情を伝えることも大切にしています。しばらく何も言わないでいると、妻から「私のこと好き?」とLINEがくることもあります。内心、「結婚何年目やと思ってんねん(笑)」と思いつつ、「最近言ってなくてごめんね、好きだよ」とちゃんと伝えます。あとは、出産のタイミングや結婚記念日などの節目にも、「いつも本当にありがとう。大好きだよ」と必ず伝えるようにしていますね。

 このあたりのバランスは夫婦の性格にもよると思いますが、実はうちの妻は自分から積極的に愛情表現ができないタイプ。自分からは言わないけど、かまってほしいという性格です。それが分かっているので、僕から動いて、伝えていくようにしています。

 初心を忘れずにとは言うものの、結婚して10年以上もたつのに、付き合っている頃の感覚を取り戻すのはなかなか難しいことかもしれません。こればかりは、僕の努力のたまものですね(笑)。