共働きファミリーの子育て費・教育費は、私たちの親世代とは大きく違ってきました。ファイナンシャル・プランナーの前野彩さんが「教育費の本当の話」を紹介していきます。新著『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』から、一部お届けいたします! 今回のテーマは「ママが払っている雑費の管理」です。
「子どもの雑費はいつも私が払う」を防ぐ
子どものおやつに教材費、文房具に電車代。さらに、玄関のピンポンの音と共に突然来る自治会費や新聞代の集金。
こんな生活のこまごましたお金は、子どもと一緒にいる時間や家にいる時間が長いママが払うことが多くありませんか?
クレジットカード払いや銀行口座から自動引き落としされる支出は、明細を振り返れば、誰が、いくら払っているのかが明確に分かります。でも日々の小さな支出は、数百円〜千円前後の支出であり、1カ月分をまとめた明細書がないため、分かりにくいのが実情でしょう。
そのうえ、お財布を開いてお金を払う回数が多いだけに、「私ばっかり」という不公平感や不満はつのりやすいのです。
そんなときの、とっておきの解決方法が「封筒金庫」。
家の中に「金庫」をつくることで、「お財布からお金がなくなる」という現実的なストレスと、「私ばっかり払っている」という精神的なストレスが無くせます。
やり方は簡単!
封筒に家計として使うと決めたお金を入れておき、必要なときに封筒からお金を出して、記録するだけ。簡単でしょ?
なお、「封筒金庫」を成功させるためのコツは、2つです。
ひとつめは「細かいことは気にしない」。
例えば、700円が必要だったとき、まじめな人ほど「おつりの300円は封筒に戻さなきゃ」となりますが、お釣りは「封筒金庫」の中に戻さなくてもかまいません。細かいことは気にせず、お金を取り出すときに記録したら、お釣りは「子どもの世話をしたごほうび」ぐらいに思って(笑)、「封筒金庫」を使いましょう。
ふたつめは、「収支合わせをしない」こと。
これを言うと、みなさん驚かれますが、「封筒金庫」の目的は、予定外の支出に備えることだから、ピンチを脱出できればそれでいいのです。それに、もともと「お釣りは戻さなくてOK」というルールなのだから、収支が合うはずがないですよね。
大事なことは、「何に、いくら使ったか」の把握。1年後、「封筒金庫」に入れた合計金額から封筒に書いた支出の合計金額を差し引いて、「あぁ、1年間で、〇万円ぐらいのこまごました支出があるんだなぁ」と、夫婦で共有できればいいんです。
「私ばっかり」と思ったときは、「封筒金庫」を夫婦で実践してくださいね。
子育て家族に人気のFP前野彩さんがズバリ教えます。
親世代とは違う「教育費の本当の話」!
『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』
■第1章 子育てって、ざっくりどのくらいお金がかかるの?
■第2章 ウチはどう貯める? どこまでお金をかけられる?
■第3章 ママとパパどう働く? 収入にあった幸せな生活スタイル
■第4章 親世代とは全然違う! 100年人生のお金の新ルール