「今はソン」でも「将来的にトク」する面も

 でも、社会保険料を納めることで、「トク」する面もちゃんとあります。

 パート先の会社の健康保険に加入していると、出産で会社を休んでも、「出産手当金」として産前産後に給料日額相当分の3分の2を受け取ることができます。また、もしも病気などで長期間を会社を休んで十分な給料を得ることができない場合は、給料日額相当分の3分の2を「傷病手当金」として受け取ることもできます。

 さらに厚生年金に加入すると、老後の年金は増えるし、障害状態になったときの障害厚生年金も障害基礎年金に上乗せされるし、もしも幼い子を残して亡くなった場合は、子どもやパパに遺族厚生年金を残すこともできます。

 また、ふるさと納税や、老後の準備制度である個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は、所得税や住民税を納める人にとっては、大きな税金の軽減効果があります。

 つまり、「今」のお金だけを見ると、税金や社会保険料が差し引かれるほど働くとソン。でも、保障や老後など「将来」のことまで考えると、社会保険料を差し引かれてもトク、ということになります。

(試算/前野彩、イラスト/エイイチ)
(試算/前野彩、イラスト/エイイチ)

 ついつい、今のお金ばかりでソン・トクを考えがちですが、働くことの中には、収入アップだけでなく、「自分らしく生きたい」という存在意義や社会とのつながりなど、いろんな想いがあるはず。

 2018年から配偶者控除・配偶者特別控除の制度が変わったように、制度は時代に応じて変化します。本当は仕事をやりたいと思っているのなら、税制や社会保険制度に一喜一憂しない人生を選択していきましょう!

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