共働きファミリーの子育て費・教育費は、私たちの親世代とは大きく違ってきました。ファイナンシャル・プランナーの前野彩さんが「教育費の本当の話」を紹介していきます。新著『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』から、一部お届けいたします! 今回のテーマは「年収100万円ママの注意点」です。

パートで働く場合の100万円の壁、103万円の壁とは?

 パートを考え始めたママが気になるのが、いわゆる年収の壁です。

 正確な数字やその根拠はわからないけれど、なんとなく「働きすぎるとソンするから、パートは一定金額で抑えた方がトク」と考えている方は多いようです。でも、もしかしたらその情報が「思い込み」かもしれません。

 実はパート収入のソン・トクは、今のあなたが「何を重視するか」で変わります。

 子育てママがパートで働く際の動機には、「収入を増やしたい」と、「自分らしく生きたい」という気持ちが混ざっているようです。

 たとえば、あなたが収入を増やしたい、もっと貯蓄をしたい、と思って働くとしましょう。その時、一定金額を超えると、給料から税金や社会保険料が差し引かれます。

 具体的には、パパが会社員、ママがパートの場合、ママの年収が100万円を超えるとママに住民税が、103万円を超えるとさらに所得税がかかるようになります。そして、厚生年金のある会社で働くママのパート年収が130万円(従業員501人以上の会社で、1週間に20時間以上働く場合は、年収106万円)以上になると、給料天引きで厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料も納めます。

(試算/前野彩、イラスト/エイイチ)
(試算/前野彩、イラスト/エイイチ)

 このように、一定金額を超えると、今まで差し引かれなかったお金が差し引かれて手取りが減るから、「今」の収入に目を向けると、「ソン」と思ってしまうようです。