共働きファミリーの子育て費・教育費は、私たちの親世代とは大きく違ってきました。ファイナンシャル・プランナーの前野彩さんが「教育費の本当の話」を紹介していきます。新著『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』から、一部お届けいたします! 今回のテーマは「小学校時代によくある家計の敵」です。

ハンバーガー店で2000円、回転寿司で5000円…は危険家計!

 子育て期の2回目の「貯めどき」は、小学校時代です。

 公立小学校の教育費や平均的な塾や習い事の学校校生活なら、毎月約3万円みておけば大丈夫。共働き夫婦にとっては、放課後の時間を過ごすために習い事を追加するお金はかかるかもしれませんが、それでも私立幼稚園に通っていた頃より支出は減る人が多いようです。

 でも、そのほっとした気持ちと、教育費の減少が要注意!

 最もありがちなのが、なんとなくの外食費や無計画なレジャーで散財するパターンです。小学生になる頃には、大人と一緒のペースで外出ができるようになります。特に週末は、子どもの習い事でおでかけをしたついでのランチや夕飯の外食が頻繁になりがちで、おまけに、子どもが食べる量も一人前になります。

 さらに、子ども向けのイベントや体験会などは、週末ごとにあの手この手とあふれているため、出費の機会はいくらでもあるのです。

計画的ならOK。でも無計画は後悔になる

 家族の楽しみとして、レジャーにお金を使うのはもちろん素敵なこと。でも、無計画な出費はダメです。たとえばハンバーガーショップで「週に1回、ひとり500円の安いセットだから」と思っていても、一家4人なら2000円の出費です。毎週続ければそれだけで月1万円弱の出費です。

 もちろん、「毎週のハンバーガーショップでの外食が何よりの楽しみなの!」というのなら、この1万円は大事な支出ですから、続けてください。でも、「お昼どうする? ハンバーガーでも行く?」というような、だらだら出費で1万円を使うのはもったいないと思いませんか? それならば、毎月の外食予算は1万円と決めてしまって、「今月は贅沢に焼き肉に行こう!」など、とびきりの食事を企画したほうが、賢くお金を使えますよ。

 その一方で、「お金が貯まるまでは我慢、我慢」と、出費をできる限り最低限に控えて、大切な機会を逃すケースもあります。

 例えば「お金が貯まったらミシンを買って、子どもに服を作ってあげよう!」と思っていて、ようやく貯蓄に余裕が出てミシンを買っても、子どもはすでに中学生。ママの手作りの洋服を着るような年頃は過ぎてしまった……なんていうこともあります。

 子どもと同じ家で暮らしていても、子どもが中学生になると、家族で過ごす時間は激減します。小学校時代の貯めどきは、将来に後悔のないように、「だらだら出費は引き締めて」、「子どもと過ごす時間にはお金をかけて」と、自分たちならではの支出のメリハリルールをつくりましょう。それが、お金もこころも満足する家計のやりくり術です。

子育て家族に人気のFP前野彩さんがズバリ教えます。
親世代とは違う「教育費の本当の話」!
『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』

■第1章 子育てって、ざっくりどのくらいお金がかかるの?
■第2章 ウチはどう貯める? どこまでお金をかけられる?
■第3章 ママとパパどう働く? 収入にあった幸せな生活スタイル
■第4章 親世代とは全然違う! 100年人生のお金の新ルール

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