共働きファミリーの子育て費・教育費は、私たちの親世代とは大きく違ってきました。ファイナンシャル・プランナーの前野彩さんが「教育費の本当の話」を紹介していきます。新著『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』から、一部お届けいたします! 今回のテーマは「公立と私立の教育費、大きな差」です

第2子の教育費が苦しい…笑えない話

イラスト/エイイチ
イラスト/エイイチ

 都市部でよく話題に上がる「私立の受験」。

 早いご家庭では私立幼稚園や小学校の「お受験」もありますし、小学生から塾に通って私立中学校を受験する「中学受験」もあります。特に、親自身が私立学校に通っていた場合は、自分の子どもも受験をさせて、私立に通わせたいと思う方が多いようです。

 私のところにも、「私立受験するか、しないか」を教育費の面から相談に来るファミリーがいらっしゃいます。幼稚園から大学まで、5つの学校を進路選択するわけですから、前もって公立と私立でどのくらいの費用の差があるかを知っておくことは重要です。とくに、きょうだいがいるご家庭の場合は、上の子を何となく私立に入学させてしまうと、後から「え…っ、こんなに教育費がかかるの(泣)」と慌ててしまい、第二子の教育費を十分に準備できない、なんていう笑えない話もあります

 幼稚園から大学まで、公立と私立でかかるお金の総額を比較したグラフを作ってみました。

日経DUAL編集部作成
日経DUAL編集部作成

 まず驚くのが、私立小学校を選んだ場合の公立との差でしょう。

 私立小学校に通っている6年間だけで924万円も必要なのです。そして、中学校が402万円、高校が300万円と続きます。あくまで傾向ですが、小学校や中学校から私立に通っていたお子さんは、大学も私立に行くことが多いです。その場合は大学も文系で417万円、理系だと578万円かかります。

オール私立だと2190万円

 もしも幼稚園から大学(文系)まで、すべて私立学校に進学したとすると、その総額はなんと2190万円にもなります。この進学コースをきょうだい2人とも目指すとなれば、4380万円。家が一軒買えそうな金額ですね。

 では、公立コースとの差額はどのくらいになるでしょうか? 幼稚園から大学(国立大)までを公立に通ったとすると、総額は750万円です。つまり、オール公立だと、幼稚園から大学まで通っても、私立小学校の6年間より安く済んでしまうのです。いかに、オール私立にお金がかかるかよくわかりますね。

 進学は、子ども1人ひとりの希望や将来の夢などをじっくりと聞きながら、親としては幅広く選択させてあげたいものです。そのためにも、受験をするかしないか決定する際は、家族でよく相談してからにしましょう。

 また、子どもの教育費を考える際には、教育のことだけでなく、家計のやりくりやママの就労、住宅や老後まで考えるのが、これからの時代のマネープランです

 「子どもにできるだけのことをしてあげたい」という想いだけで突き進むのではなく、時々は立ち止まり、夫婦で落ち着いて話し合いをしてみてください。子どもも、親も、全員が納得できる子どもの教育プランを見つけましょう。

「WOMAN EXPO 東京」で前野彩さんのお金セミナー開催!

「WOMAN EXPO Premiumセミナー
 すぐ役立つ! お金の新知識コース」

● 5月19日(土) 15:40~16:40
● 東京ミッドタウン(六本木)

 事前申し込みはこちらから!
http://www.woman-expo.com/tokyo/session/session-detail?m=1&eid=11

 WOMAN EXPO紹介動画(6分)を配信中!
「働く女性に贈る 明日をひらく言葉」
https://youtu.be/A-Fn8bC1HW4

子育て家族に人気のFP前野彩さんがズバリ教えます。
親世代とは違う「教育費の本当の話」!
『教育費&子育て費 賢い家族のお金の新ルール(日経DUALの本) 』

■第1章 子育てって、ざっくりどのくらいお金がかかるの?
■第2章 ウチはどう貯める? どこまでお金をかけられる?
■第3章 ママとパパどう働く? 収入にあった幸せな生活スタイル
■第4章 親世代とは全然違う! 100年人生のお金の新ルール

Amazonで購入する