選択肢を最大限に広げて、1園でも多く申し込みを

 山下さんは、保活は「選択肢・時間・指数」の3つの要素に分解できると言います。「選択肢」は申し込みしようと思っている園、「時間」は費やした量、「指数」は自分の持っている自治体への申し込み時の指数のこと。保活のストレスに押し潰されそうになるときほど、3つの要素を意識して、シンプルに考えるのが大切です。今のタイミングからは指数はもう変わらないので、時間と選択肢を最大化するアクションを取ることが必要になってきます。

 「選択肢については、とにかく1園でも多く。バスに乗ればここまで通えるかもしれない、電動自転車を買えばここも通えるということを再検討してください。少し頑張れば通えるというところは全部書く。そして可能な限り、見学も行ってほしいです。見学せずに申込みして、入園後に残念な気持ちになってしまうことは避けたいですから。時間については、持てる時間を無駄にせずに足を止めない。自分一人で頑張ろうとせず、夫と協力したり友人など周りの力を借りながら、充てられる時間を増やしていってください」

 先述のCさんも「二次募集では、認可外まで広げて19園に申請しました。かなり妥協もしていますが、育休は二度目のこともあり4月復帰は絶対と決めているので、何とかして預けなければと思っています」と選択肢を最大限に広げて、結果を待っている状態です。

申請済みの認可外は、自分から電話連絡を

 何が何でも4月に復帰をしたいという人にとっては、認可外も重要な選択肢です。一次募集ですでに申請している認可外があれば、認可園に落ちたことを電話で伝えることが有効です。

 「認可園に入れなかったので、OKをいただければ必ずそちらに通いますという意思を伝えてみましょう。認可外はギリギリの運営体制でやっているところも多く、朝からスケジュールがびっしり。その中で、来年度に向けた入園希望者に電話をかける隙間がないんです。夜になってようやく落ち着いて、何百人と応募がある中からなんとか合否の連絡をすると、ずっと留守電でつながらない、やっとつながったと思ったら『認可が決まったのでいいです』と言われたら仕事とはいえつらいと思います。そんな状況なので『認可に入れなかったので絶対に入ります』と電話があったら、有利に働く可能性はあります。必ずそうなるという意味ではなく、あくまでも「可能性がある」としか言えませんが、すでに申し込みを入れている認可外があれば、自分から電話をしてみてください」

 認可外保育園は基本的に、区民である必要はなく、親が就労している必要もありません。自分が通えるエリアであれば、アプローチは比較的しやすく、送迎体制などサービスが充実している園もあるので、見直す余地はあります。