パパは育児を「手伝う」のでいいのか?

 先日、3人の子どもたちと一緒に電車に乗って出掛けたときのことです。子どもたちが見知らぬおばあちゃんに声を掛けられました。「今日はお父さんとお出掛けなのね。お母さんがいなくてもお利口さんだね」。さらに、私に向かって「たまにはママを手伝ってあげなきゃね。最近はパパも頑張る時代だから」。

 相手に悪気がないのは分かっていますが、「手伝っている」と言われたことに少し違和感を覚えました。「あくまでも家事や育児の主体はママ、それを手伝うのがパパ」という意味ですからね。ささいなことかもしれませんが、そうした固定概念は根強いのだと実感する出来事でした。

 他にも、「イクメン」とか「家族サービス」という言葉がありますが、私はできるだけ使わないようにしています。夫婦や家族にとってベストな形は一つではない。パパにしても、ママにしても、頑張り方は人それぞれだと思うからです。

 私たち夫婦は、毎年子どもたちの誕生日に似顔絵とメッセージを書いて残すようにしています。これは長男が1歳になったときから続けている習慣。見返すことで、「去年はこんなことで喜んでいたな」「2年前はこんなことで悩んでいたのか」と、その時々の子どもたちに対するお互いの気持ちを改めて感じることができます。

 もともと、将来子どもが自立して家を出ていくときに、親の自己満足でプレゼントしようと思って書き始めたのですが、今では夫婦にとっての大切な記録。もしかすると子どもたちには贈らずに、夫婦の思い出の品として取っておくかもしれません。