その話を聞いて以来、私も家の中の様子を観察するようになりました。例えば、取り込んだままの状態の洗濯物、無造作に置かれた小学校や幼稚園関係の配布物、洗い終わっていない食器類。手掛かりになるものはいろいろとあります。こうした状況に気づければ、その日、妻がいかに余裕のない時間を過ごしていたかを想像することができます。

 こうした気づきは、お互いにとってとても重要です。帰宅直後の相手への声掛けも変わってくるでしょう。疲れた様子を察すれば、「今日は大変だった?」「先に休んでね」などと声を掛けることができるし、残っている家事をフォローしてやっておくこともできます。妻に余裕がありそうに見えるときは、「俺の話、聞いてくれる?」と、愚痴を聞いてもらうこともありますが(笑)。

夫婦で話し合って、「連休」を避けた

 共働き世帯が増えている中で、収入の差があったり何らかの成功体験があることで発言力が違ったりすることによって、どちらかが一方的に主導権を握っていると夫婦げんかになりやすいのでは? と思うことがあります。

 時々聞くのが「相手が一方的に物事を判断するので、はなから諦めて相談すらしない」という話。ただ、その点に関しては、良くも悪くも私にプライドはありませんし、「こうあるべきだ!」と強く主張できる根拠もないので、何かに迷ったときには、必ず妻と話し合うようにしています。その代表的な例が、私の定休日です。

 アナウンサーも会社員なので、週に2日の定休日を設けます。番組の放送時間や番組内での役割などによって状況は異なりますが、基本的には、土日、日月というように、連休を設定するケースがほとんど。しかし、私はあえて水曜日と日曜日を定休日にしました。

 きっかけは2年前。当時の私は、週に6日間の生放送業務を担当していましたが、「働き方改革」の流れもあって、2日間の休みを設けることになりました。もちろん「家族全員で過ごす時間をつくるためには連休にしたほうがいいのではないか?」という話も出ました。

 でも、当時は次男の片道13キロの遠距離通園を検討し始め、その送迎の負担について話し合っていたところでした。そこで、妻の意見を聞いた上で、平日の水曜日を定休日に設定。私も送迎できる状況にしました。

 平日に休みを取ることで、次男の送迎に限らず、長男の小学校にも足を運べるようになりました。子どもの体調が悪いときには病院にも連れていけますし、家事全般を引き受けることができます。なにより、週の中日に妻の休息日が確保できたことが一番大きかったと思います。