PTAは「会社」でも「仕事」でもない

 PTAも同じような捉え方でいいと思います。本来は任意ですし、誰かに強制されて参加するものでもない。ただ、子どもが保育園や幼稚園に通っていた頃と比べると、小学校のPTAという組織は「会社」のような感覚で捉えられがち。PTAの「活動」とは言わず、PTAの「仕事」とつい口にしてしまうのは、恐らくそのせいではないでしょうか。

 だからこそ、私はPTAもサークル活動の一部だと考えています。やれる範囲で、行ける範囲で構わない。普段の生活や仕事に支障がないように、無理なく関わる。その結果、なかなか交わらない他の学年の保護者たちとコミュニケーションをとって、子どものためにも、親である私自身のためにも有益な時間にしていきたいと思っています。

 昔と比べれば共働き世帯が多くなっていますが、それでも、PTA活動を担っているのは圧倒的にママたちが多いです。日頃の家事育児に加えて、仕事もして、何とか時間を捻出してPTA活動にも関わるというのは、本当に大変です。子どもが幼稚園や保育園に通っていた頃はパパの参加率は高かったのに、小学校に入るとママの姿ばかりが目立つという話もよく耳にします。

 本業以外にやることが増えたり、肩書がついたりすることを避けたいという気持ちもあるのかもしれません。組織の名簿に自分の名前が載っていると「仕事が増えてしまった」「逃れられない状況になってしまった」と負担に感じることもあるでしょう。また、女性の名前ばかりの名簿に男性の名前が載っていると、「教育熱心なパパなのかな?」「PTA会長の座を狙っているのかな?」なんて、勘ぐられたり。

 そんな人は、もし「父の会」のような「乗り降り自由のプラットホーム」があるなら、そこから始めてみるのはいかがでしょう。また、学校や地域によるかもしれませんが、今は一日限りの授業参観日ではなく、「土曜公開授業」や「学校公開週間」という形で、以前よりも足を運びやすくなりました。お子さんが小さいうちは、通学班の集合場所まで一緒に歩いていくのもいいですよね。親同士のつながり以前に、まずは子どもたちに顔を覚えてもらわないと、ある意味「知らないおじさん」のままですから(笑)

土曜の朝の生放送終了後、「父の会」の緑のTシャツに着替えて小学校へ直行。この日は、行事後の撤収作業に加わりました(写真は蓮見さん提供)
土曜の朝の生放送終了後、「父の会」の緑のTシャツに着替えて小学校へ直行。この日は、行事後の撤収作業に加わりました(写真は蓮見さん提供)