私が12年間のサッカー生活を通して学んだのは、「つらいことや苦しいことでも、続けていれば心の底から楽しいと思える瞬間が巡ってくる」ということ。私の場合、その転機がやってきたのが高校時代でした。年齢や体の発育などによって、どのタイミングで転機が訪れるのかは人それぞれ。もちろん、続けていてもうまくいかないこともあると思います。

 ただ、親としては、出来、不出来の見極めよりも、「子ども自身が楽しくやれるかどうか」。習い事を通して、スキルやノウハウを習得してほしいと思っているのは親のほう。子どもの立場になってみれば、楽しいと思えるかどうかのほうが大事ではないかと思います。

長男が初めて「やりたい」と言ったテニス

 長男と次男とで運動系の習い事が違うのは、狙いがあってそうしたわけではなく、結果的にそうなっただけ。長男もサッカーの体験に行かせたことがあったのですが、たまたまうまい子が多く来ていたこともあって、本人が乗り気になりませんでした。

 その代わり、本人の希望で始めたのがテニスです。習い始めて1年弱ですが、とても楽しそうに通っています。テニス部出身だった妻の影響や、錦織圭選手、大坂なおみ選手の活躍がきっかけになったようで、自分からやりたいと言い出しました。

 習い事が増えるのは経済的にもやりくりが大変です。今やっている習い事を一度整理して、親子ともども負担を減らすべきではないかと考えたこともあります。ただ、「何事も継続させたい」というのが私のモットー。親の基準で習い事に優先順位をつけられません。そこで、経済面や送迎面で「実際に通わせられるか」という現実的な部分を妻と話し合い、子どもの「本気度」を探ることにしました。