でも、そう言われたことが、かえって「続けたい」という思いを強くしました。中学の部活動でも、選んだのはやはりサッカー。子どもながらに、どこかで「親を見返してやりたい」という思いがありました。
実は、アナウンサーという夢と平行して、教員になりたいという目標も持ち続けていました。それまでの自分の人生の軸だったサッカーに携わることができる職業だと考えたからです。学生時代にサッカーの指導者ライセンスを取ったのも、それを見据えての行動。恐らく、長くサッカーに打ち込んでこなかったら、そんなふうに考えることはなかったと思います。進学や就職など、人生の岐路や節目を迎えたときに、それまで継続してきた何かが、選択する際のヒントになる。私はそう思います。
「パパとの特訓」で長男が奮起
半年ほど前のことですが、長男が、3歳から続けてきたスイミングをやめたいと言いだしたことがありました。半年にわたって背泳ぎの進級テストに何度も落ち続け、長男自身もあまり楽しさを見いだせていない様子でした。正直なところ、習い事の数も少なくはありませんし、妻からは「そろそろやめようか」という相談も。でも、成果より継続。結果よりもやり続けることに意味があると考えていた私は、できれば頑張って続けてほしいと思いました。
そこで長男にかけたのが、「パパと特訓するか?」という一言。練習と特訓。ちょっとした言葉のニュアンスの問題かもしれませんが、長男の心には「水泳の練習」ではなく「パパとの特訓」という表現が響いたようです。何度か近くのプールに連れて行き、二人で「特訓」を行った結果、次の進級テストで無事に合格することができました。
長男は「特訓のおかげだね」と合格証を持って喜んで帰ってきましたが、きっと、何もしなくても合格できたはず。私は長男がやる気になれるよう、ちょっと背中を押しただけなんです。あのとき、停滞期を乗り越えた長男は今もスイミングに通い続け、平泳ぎの練習を頑張っています。