「不妊治療に専念するために仕事を辞めたい」と妻に言われた40歳の夫。不妊治療費の捻出や子どもの教育費などの不安がありましたが、「本当に子どもが欲しいのであれば、将来のお金の心配より、今は治療に専念できる状況を作るべき」とファイナンシャル・プランナーの山崎俊輔さんは話します。しかし、世帯年収が半減することは確かなうえ、「妊娠・出産前に仕事を辞めることで生じる損失もある」と、山崎さん。不妊治療にまつわるお金の問題について伺います。

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妻が不妊治療のために退職を検討中 辞めて大丈夫?

<相談者の悩み>

不妊治療中なのですが、妻が「仕事を辞めたい」と言っています

<相談者のプロフィール>

<夫婦の仕事と年収>
■夫(40歳)/正社員 年収550万円
■妻(35歳)/正社員 年収540万円
■結婚7年目。2年前から不妊治療を開始し、現在は体外受精のステップに進んでいる

<現在の貯蓄や金融商品、住宅について>
■家賃15万円の賃貸マンション住まい
■銀行預金1200万円

育休手当は出なくなるが、不妊治療の助成金が受けられる可能性も

 相談者さんの奥様は、正社員なので雇用保険に加入しています。雇用保険に加入している人が育児休業を取得すると、180日目(6カ月目)までは月給の67%、181日目以降は月給の50%が育児休業給付金として支給されます。ただ、これは育休終了後の職場復帰を前提とした給付金。つまり、妊娠する前に辞めてしまうと給付を受けることができなくなります。妊活のために仕事を辞めようと考えている人は、目の前の収入減だけでなく、こうした給付が受けられなくなるという「損失」についても踏まえておきたいところです。

 ただ、奥様が退職することで、不妊治療の助成金が受けられるようになる可能性もあります。東京都では税法上の諸経費や諸控除を引いた夫婦の前年(申請日が1月から5月の場合は前々年)の所得額の合計額が730万円未満の場合、助成の対象となります。ここでいう所得とは実際の年収ではなく、一定の控除や経費等を引いた額になりますが、相談者さんの場合は世帯収入が1090万円あったので、所得額が730万円を超えていた可能性もあると思います。受ける権利がなかったものが受けられるようになるのは大きなメリット。治療のステージや妻の年齢などにより、助成を受けられる回数や金額は変わってきますので、ご自身でよく確認をしてください。

貯金ができなくても赤字が出なければOK

 奥様が仕事を辞めると、相談者さんの年収550万円だけになるので、この金額でやりくりしなければなりません。共働きの約半分にはなりますが、550万円あれば夫婦2人でやっていけないということはありません。

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  • 親も気になってはいても軽々しく聞けない時代
  • 「不妊治療のための貯金」はできない
  • 「とりあえずしばらく頑張ってみる」は勧めない

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