生きていれば、必ずあるのが悩みのアレコレ。子育て、仕事、人間関係…など様々な読者の悩みに、著名人や専門家が答えます。

<読者の悩み>

チームの中にすこぶる優秀な人間がいて、引け目を感じます。

Q. 昨年の冬、昇進して6人の部下を持つチームリーダーになりました。おおむね気の合う仲間同士という感じでチーム全体の雰囲気はいいのですが、一人、能力がずば抜けて高い後輩がおり、彼のことを変に意識してしまいます

 私は数字に強いわけでもプレゼンが特段にうまいわけでもなく、年齢が上というだけでリーダーに任命されたと思っており、彼にそのことを見透かされているようで不安に感じることも。ちょっと会話をしたり仕事のアサインをしたりするたび、その思いが頭をよぎり、ついどもったり頭の悪そうなことを口走ってしまったり…そして、そのことで見下されているなどと不安になって悪循環です。どのように接していけばいいのでしょうか。

(43歳男性)

回答者: 中田敦彦さん

  なるほど。チームの中にすごく優秀な人間がいるんですね。その人に気を使っちゃう、と。今の僕にものすごく刺さる相談です。というのは、僕も、個人やオリエンタルラジオとしての仕事の他に、音楽ダンスユニット「RADIO FISH」として6人のチームで活動を続けているから。

 大前提としてこの方に言いたいのは、能力とは、1つの基準で見るものではないということ。相談内容を読む限り、この方の部下は数字に強くて、プレゼンがうまいんでしょう。それが相談者のビジネスシーンで重要視されるスキルだから、チーム内で際立っている。

 ところが実は、残りの5人も何かに優れているはずなんですよ。そして、その能力の価値はフラットなんです

 RADIO FISHで説明しますと、Show-hey(ショーヘイ)というダンサーがいます。彼はライブの構成や演出、衣装や振り付けなど、クリエーティブに直結する能力が最も高いんですよ。著名なアーティストの舞台演出を手掛けるなど経験豊富で、僕も信頼して彼に多くを任せています。一方で当然ながら、Show-hey以外のダンサー3人にも、それぞれ優れた能力があります。高いダンススキルを備えているのはもちろん、交友関係がとてつもなく広いFISHBOY(フィッシュボーイ)は、スポンサーを見つけたり、必要な人材を連れてきたりすることに長けています。RIHITO(リヒト)は、エキストラなど大勢を笑いで和ませて統括するときに、高いリーダーシップを発揮します。SHiN(シン)は、常にチームを俯瞰して冷静に見ていて、議論が煮詰まったときに的確な意見を言います。そういう個々の強みを最大化できるような配置を僕はよく考えています。

 サッカーに例えると、ゴールを決めた選手が圧倒的に目立ちますよね。「ゴールする」という基軸だけに注目すると、結果を出していない人間が11人中10人いることになってしまいます。当然ながら、ゴールしたこと以外にもたくさんの価値はあります

 まずそこを理解してもらい、そのうえで強く言いたいのは、その「能力がずば抜けて高い後輩」と、あなたは競っている場合じゃない! それはなぜか? 僕の持論を聞いてもらえますでしょうか。 (次ページへ続く)

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