貯金を増やすには、生活費以外の「趣味的な支出」をコントロール

中嶋 ところで、家計簿はつけていますか?

 はい、レシートを集めて、ネットで見つけたエクセル表に1カ月分を一気に入力しています。手書きの家計簿が続かなかったので、このやり方にしています。ただ、かなりざっくりで。いつも年間120万円くらいの使途不明金があります。

中嶋 手入力は手間がかかるうえ、ズレが生じる可能性もあります。問題なくできていればいいのですが、マネーフォワードなどの家計管理アプリを利用すると、より簡単です。クレジットカードや銀行口座などを一度登録してしまえば、あとは現金払いのものを少し入力するだけで、夫婦の支出が管理できます。前回のご相談者さんのように、基本的な生活費と趣味的なお金について分けて確認することもできて便利です。

 こうやって分かると、いいですね。

中嶋 どの家庭でも同じですけど、家賃、光熱費、食費などの「基本的な生活費」はあまり変わりません。大きく変わるのは生活費以外の趣味的な支出なんです。そこをコントロールすることで、貯金を増やせます。

 お二人の場合は、年間の支出は712万円。1カ月の支出が60万円くらいで、生活費とそれ以外の支出の割合は、40万円と20万円、もしくは35万円と25万円くらいでしょうか。今後の住宅の支出を考慮すると、生活費以外の削りどころを検討することになります。

 手入力でこれだけしっかり家計簿をつけられているのは珍しいと思いますよ。もし今後面倒になったら、ぜひマネーフォワードなどのアプリを使ってみてください。

 はい、ぜひ見てみます。

子ども2人で収入の23%を貯蓄に回せているのは「優秀」!

 あと、私が会社で確定拠出年金に入っていて、自分で月2万円の上乗せで支払っています。貯蓄に回す額はもっと増やしたほうがいいですか?

中嶋 あ、なるほど。それなら貯蓄額に年間で24万円の上乗せがされているわけですね。確定拠出年金は所得控除になるのでお得ですけど、原則的に60歳まで引き出しができない点は注意が必要ですが。お二人の場合は預貯金が約2000万円としっかりありますし、これから家を買うので今のところ無理に貯金額は増やさなくていいかと思います。過剰な節約になってしまうかもしれませんので。

 わが家の貯金は少ないと思っていたのですが……。

中嶋 預貯金だけで2000万円あるのは素晴らしいです。確定拠出年金や拠出型企業年金も合わせると、世帯の手取りから約23%貯蓄に回せている計算になります。お子さんが2人いて、これは立派です。慎重になることは大事ですが、プラスの要素にも目を向けてくださいね。

 ちょっとホッとしました。保険について、足りているかも心配しています。

中嶋 4980万円の物件を買っても大丈夫かどうかと、保険の内容も確認していきましょう。

住宅購入によって毎月の支出が増えても、しっかり貯金をしていけるかどうかが予算設定のポイントになる
住宅購入によって毎月の支出が増えても、しっかり貯金をしていけるかどうかが予算設定のポイントになる

――「解決編」に続く!

(構成/西山美紀 イラスト/エイイチ イメージ写真/iStock)